補聴器のお手入れって大切?使う道具やお手入れ方法・注意点を解説
ファミリー補聴器店長の吉野です。今回は補聴器のお手入れについて解説します。
補聴器を長持ちさせるには、毎日の使用後に行うお手入れや補聴器店で定期的に受けるメンテナンスが大切です。
本記事では自宅でのお手入れ方法や必要な道具、注意すべき点を解説するので、ぜひ参考にしてください。
Contents
補聴器のお手入れはなぜ必要?
補聴器は水に弱い精密機械です。汗で濡れた状態や湿気が高い場所で保管すると、錆びつきや劣化が起こります。
また、補聴器は基本的に1日中装着するため、皮脂や耳垢がつきやすくなります。マイクや音口、耳栓に汚れがつまると、音がうまく伝わらなくなります。
必要な音を耳に確実に届けるために、補聴器のお手入れが大切です。補聴器を長持ちさせるためにも、補聴器の扱い方が分からない場合や細かい作業が難しい場合は、購入した補聴器販売店へ相談しましょう。
自宅で毎日行うお手入れ
毎日行うお手入れは、補聴器の汚れを拭き取って乾燥させることです。帰宅後や就寝前など、補聴器を扱う時間を決め、自宅でのお手入れを習慣づけましょう。
本体を拭くときはやわらかい布を使って、耳垢を取り除きます。補聴器を使わない間は乾燥ケースに入れてください。空気亜鉛電池は乾燥に弱いため、取り外して保管します。充電式の場合は次に使うときのために電池残量の確認・充電を行いましょう。
以下の見出しで、補聴器のお手入れにあるとよい道具や、耳かけ型補聴器と耳あな型補聴器のお手入れ方法、注意点を紹介します。
お手入れで使う道具
補聴器のお手入れには、次のような道具を使用します。
- やわらかい布
- ティッシュ
- 綿棒
- ブラシ
- クリーニングシート
- クリーニングスプレー
- 医療用手袋
- 乾燥ケース・乾燥機
補聴器本体の汚れを拭く布は、メガネ拭きのようなやわらかく乾いた布を使用してください。細かい部分は綿棒や専用のブラシで掃除します。
補聴器専用のクリーニングシートは綿棒を使って間接的に使います。スプレータイプのものも、綿棒やティッシュにスプレーして使ってください。そのままスプレーすると本体が濡れて故障の原因になります。
補聴器は汗や湿気に弱いため、使い終わったあとは乾燥させることが大切です。乾燥剤が入った乾燥ケースと、電池式や電気式の乾燥機があります。乾燥機は乾燥剤の交換が不要で、除菌機能つきや補聴器の充電をしながら乾燥できるものもあります。
耳かけ型補聴器のお手入れ方法
耳かけ型補聴器の毎日のお手入れ方法を解説します。
電池式の場合はまず電池を外してください。補聴器全体をやわらかい布で拭きます。マイクや耳に触れる部分、電池のフタの裏なども忘れずに拭きましょう。小型のRICタイプは、ワイヤー部分を持たないようにして全体を拭いてください。
音を拾うマイクの穴や、耳栓の先端をブラシで掃除します。落とした汚れが奥に入らないように、ブラシは上向きにして使いましょう。
お手入れが終わったら、乾燥機や乾燥ケースに入れて乾燥させます。空気電池は失くさないように保管場所を決めておきましょう。
耳あな型補聴器のお手入れ方法
耳あな型補聴器の毎日のお手入れ方法を解説します。
電池式の場合は電池を外し、補聴器の外側を拭きます。充電式の場合は充電ポートや電極部分もきれいに拭きましょう。
補聴器の先端をブラシで掃除します。補聴器を下向きに持ち、ブラシを上向きに使って汚れが入らないようにします。机に置いて使うブラシがあると便利です。
電池が入る部分の近くにあるマイクの穴も掃除し、きれいになったら乾燥ケースに入れます。
細かい部分が多いため、掃除がうまくできない場合は購入した店舗に相談しましょう。
お手入れでの注意点
補聴器のお手入れでやってはいけない注意点を解説します。
補聴器本体を水で洗ったり、ウエットティッシュや洗剤を使ったりすると、補聴器の故障につながります。乾いたやわらかい布で優しく拭いてください。
高濃度アルコールやシンナー・ベンジンなどの薬剤、電子レンジやドライヤーは使用できません。
補聴器のお手入れは布を敷いた上で行い、落とした時のダメージを最小限に抑えましょう。
必要に応じて行うお手入れ
ほこりや土などで補聴器が汚れたら、その都度落とすようにしてください。
電池式の補聴器は、空気亜鉛電池の交換が必要です。補聴器を1日10時間使用する場合、電池の寿命は4〜20日とされています。電池が無くなったらすぐに交換できるように、対応する空気電池を自宅に置いておきましょう。
乾燥剤の入った乾燥ケースを使用している場合は、乾燥剤の交換が必要です。一般的に使われているシリカゲルの効果は2〜3ヶ月です。使用期限がわかるように色が変わるものもあります。
補聴器販売店でのお手入れ
自宅でのお手入れのほかに、補聴器販売店でのクリーニングを受ける必要があります。
3ヶ月に1度補聴器を購入した店舗へ行き、メンテナンスを受けましょう。部品を取り外して補聴器内部の埃や湿気を取り除いたり、耳栓や耳垢防止フィルターなどの消耗部品を交換したりします。
補聴器販売店では、補聴器の点検のほかに聞こえの調整も受けられます。年齢を重ねることで聴力も変化するため、聴力測定を受けて今の聴力に合った調整が必要です。
毎日のお手入れと販売店でのクリーニングが大切
この記事では、補聴器のお手入れの大切さや注意点、購入した店舗やメーカーによる定期的なメンテナンスが必要であることを解説しました。
毎日使う補聴器を適切にお手入れして、長持ちさせましょう。お手入れ方法が分からない場合やお手入れが難しい場合はご相談ください。
【Q&A】
Q1:補聴器をつけたままお風呂に入ってしまったときはどうすればいい?
A1:補聴器についた水分を拭きとり、乾燥ケースに入れます。故障の可能性もあるため補聴器販売店へ相談してください。
Q2:補聴器のお手入れに必要な道具はどこでそろえられる?
A2:Webサイトや補聴器販売店で購入できます。お手入れ方法や周辺機器に関して不明な点があれば当店にご相談ください。