イヤモールドとは?こだわるメリットについて解説
ファミリー補聴器店長の吉野です。今回は、イヤモールドのメリットについて解説します。イヤモールドはオーダーメイドの耳栓で、耳かけ型補聴器を装用する際に使います。個人差のある耳の形状にフィットするため、音の聞こえや補聴器の不調を解消できる点がメリットです。
この記事ではイヤモールドのメリットに加え、選び方についても紹介します。ぜひイヤモールドのメリットを知って購入をご検討ください。
Contents
イヤモールドとは
イヤモールドは、オーダーメイドで作る耳栓です。耳かけ型補聴器やポケット型補聴器を装用する際に使います。耳の形に合わせて作るため、既製の耳栓よりも着け心地がアップするほか、落下するリスクを下げられる点がメリットです。また、音漏れ防止や耳の痛みの軽減にもつながります。
具体的に、イヤモールドの形状や材質について紹介します。
形状の紹介
イヤモールドの形状は、以下のものがあります。
- カナルタイプ(ミニカナル、セミカナル)
- スタンダードタイプ
- スケルトンタイプ
それぞれ、難聴の度合いに応じて選ぶとより効果的です。
形状 | 特徴 | 難聴レベル |
カナル | ・一般的なサイズ | ・幅広い聴力に対応 |
ミニカナル | ・CICタイプ(小さく目立たない形状)・耳の奥に入れる・顎の動きに関係なく使用可能 | ・軽度から中度の方向け |
セミカナル | ・カナルより少し大きいサイズ・安定感が高い | ・軽度から重度の方向け |
スタンダード | ・耳介内を埋めるタイプ・最も大きい | ・重度難聴者の方におすすめ |
スケルトン | ・スタンダードの中央部分をくり抜いた形・高い安定感と快適性がある | ・幅広い聴力に対応 |
これらの形状を把握しておくと、オーダーする際にどのイヤモールドを選ぶべきか検討しやすくなります。
材質の紹介
イヤモールドは主に以下の素材で作られています。
- 硬質(ハード)アクリル
- 軟質(ソフト)アクリル
- シリコン(ソフト)
素材によって硬さや耐久性が異なります。
素材 | 特徴 |
硬質(ハード)アクリル | ・一般的の素材・耐久性が高い・店頭で加工できる・変色や材質の劣化が少ない・高齢者におすすめ |
軟質(ソフト)アクリル | ・ハードだと違和感のある方や激しい運動をする方におすすめ・少し柔らかいアクリル素材・耐久性はハードよりも低い |
シリコン(ソフト) | ・柔らかいシリコン素材・耳にフィットしやすい・顎関節による違和感が軽減できる・材質劣化が少ない・アレルギーやかゆみを軽減したい方におすすめ |
それぞれの特徴を参考に、店員に相談したり、着け心地を試したりして自分に合ったイヤモールドを作りましょう。
イヤモールドのメリット
オーダーメイドの耳栓は多くのメリットがあるため、ぜひ使用をご検討ください。具体的なメリットは、以下の点です。
- 耳から落ちるのを防ぐ
- ハウリングを防止する
- 補聴効果を最大限に引き出す
メリットについて詳しく解説します。
メリット①:耳から落ちるのを防ぐ
耳の穴(外耳道)の形状には個人差があります。そのため、既製の耳栓だと咀嚼や会話などで外れて落下や紛失する可能性があります。その点、イヤモールドであれば耳の形に合ったものを作れるため、耳から落ちにくくなりおすすめです。
メリット②:ハウリングを防止する
耳の穴と耳栓に隙間があると、音漏れする可能性があります。音漏れが起こると、ハウリングが発生するため快適性を損ないます。雑音が入ると必要な音が聞こえず、生活に支障が出てしまうため早めの対応が必要です。
オーダーメイドの耳栓で耳穴をしっかりと塞ぐことで、ハウリングを予防できます。イヤモールドを作って音漏れを防ぎましょう。
メリット③:補聴効果を最大限に引き出す
使用するイヤモールドの形状によって、補聴器本体同様に音響(周波数)特性を調整でき、よりよい聞こえを追求できます。
また、自分専用のイヤモールドを作製することで前向きに物事をとらえられ、補聴器装用への意欲向上にもつながります。言葉の聞こえ方がハッキリすると、コミュニケーションをとることにも抵抗が減るでしょう。聞こえ方に悩んでいる方は、イヤモールドの作製をご検討ください。
イヤモールド作製時の注意点を紹介
イヤモールドを作るときには、注意すべきポイントがあります。具体的には、以下の点です。
- 鼓膜や外耳道に異常がある方は作れない
- 中耳炎手術経験者は耳型採取できない
- 耳に異常がある方は先に耳鼻科を受診すべき
イヤモールドを作るときは、耳の型を取らなくてはなりません。耳の不調を感じる方は、事前に耳鼻咽喉科を受診してください。
イヤモールドを作る際はまず、耳の穴に印象剤を流し込みます。イヤーブロックを使用するため、耳の奥へ印象剤が入り込んでしまう心配はありません。そのあと、印象剤と硬化剤を混ぜて耳型を採取してから本体を作ります。
個人の耳型で作製するイヤモールドは、装着感や安定感、音漏れ防止ができます。自分の耳に合う補聴器をお探しの方は、イヤモールドをご検討ください。
イヤモールドを着けて快適に過ごそう
耳かけ型補聴器の効果を引き出すにはイヤモールドは強い味方となるでしょう。「外れにくい」「ハウリングが起きにくい」「補聴効果を高められる」といったメリットがあります。
すでに既製の耳栓を使用していても、ほとんどの耳かけ型補聴器ではイヤモールドの後付けが可能です。補聴器との相性がよくなかったり、不具合に悩んでいたりする場合にはイヤモールドの作製をご検討ください。
Q&A
Q.イヤモールドのメリットは?
A.イヤモールドのメリットは、耳からの落下を防ぎ、ハウリングを防止します。また、聞こえがよくなるためおすすめです。安定した補聴効果を望むのであれば、イヤモールドの使用をご検討ください。
Q.イヤモールドを作ってもらうときの注意点は?
A.鼓膜や外耳道に異常がある方は作製できない場合があります。密着度が高まるため、かゆみが起こるかもしれません。耳に不具合があるときは事前に、耳鼻咽喉科の受診が必要です。