コラム
補聴器について

補聴器の調整が必要な理由とは?頻度や金額についても解説

ファミリー補聴器店長の吉野です。

補聴器を日常的に使用している方は、補聴器を定期的に調整する必要があります。

補聴器の状態によって、専門資格を持つ医療関係者や専門店スタッフに相談します。突然の故障や不調を防ぐためにも、適切な頻度で調整してもらいましょう。

今回は、補聴器の調整が必要な理由や費用、頻度を中心に解説します。日常的に補聴器を使っている方は、ぜひ最後までご覧ください。

補聴器に調整が必要な理由

補聴器に調整が必要な理由は、次の2つです。

  • 効果を十分に発揮するため
  • 使用者の耳の形状に合わせるため

定期的なメンテナンスによって、補聴器を快適に使用できます。それぞれの理由について解説します。

効果を十分に発揮するため

補聴器の調整は、補聴器の効果を最大限引き出すために欠かせません。不具合を点検したり、使用者の聞こえに合わせたりするために、専門スタッフが調整を行います。音の出力の度合いから音のバランスまで、そのときの使用者の聞こえに合わせるため、定期的な調整は重要です。

個人の聴力データに合わせて丁寧に調整をして、日常生活での聞こえに支障をきたさないようにします。

使用者の耳の形状に合わせるため

補聴器はほぼ毎日使用するため、使用者の耳の形に合うことがとても大切です。オーダーメイド補聴器を作成する場合は、機能的な部分を調整するほか、耳の型を取って補聴器を耳の形に合わせます。

使用者の耳にぴったり合うよう作成することで、装着時の耳の違和感を減らせます。日常的に、補聴器を快適に使えるようにするのが目的です。

定期的に行う調整で形状が合わないと判明した場合は、補聴器を作り直す場合もあります。

補聴器調整の主な内容

補聴器調整における主な内容は、次の3つです。

  • 音質調整(音のバランスを整える)
  • 最大出力制限(音を不快に感じないようにする)
  • 利得調整(小さい音を聞きやすくする)

いずれの要素も、補聴器の調整には欠かせません。それぞれの要素について解説します。

音質調整:音のバランスを整える

音質調整は、バランスを整えて聞き取りやすい音にするための調整です。音質調整により、聞こえの疲労が軽減できます。日常生活における会話をスムーズにするために必要です。

気導測定・骨導測定・不快閾値の測定で得た聴力データに基づいて、専門スタッフが適切な調整を行います。音質調整は、日常生活で相手の言葉を聞き取りやすくするために欠かせない調整です。

最大出力制限:音を不快に感じないようにする

最大出力制限とは、補聴器のユーザーが不快に感じないレベルまで音量を調整することです。必要以上に音が大きく聞こえると、「うるさい」「雑音が耳障りだ」と感じる場合もあります。

音が大きすぎると耳の細胞を傷つけてしまい、日常生活に支障をきたすので必要に応じて調整を行います。大きすぎる音は難聴が進む原因ともなるため、定期的な音の出力制限は重要です。

利得調整:小さい音を聞きやすくする

利得調整とは、小さい音を聞こえるように増幅することです。小さい音を聞き取りやすくして、日常生活を送りやすくするために大切な調整です。わずかな音でも必要な音が適切な音量で聞こえるよう、個々に合わせて調整を行います。

遠くから呼びかける声や小声での会話でも、不便のないようにします。スマートフォンでの通話や仕事での会話など、小さな音がある場面に備えるため、利得調整は大切です。

補聴器の調整における費用

補聴器を購入した専門店であれば、基本的に調整は無料で行われます。ほかの販売店に依頼する場合は費用がかかるため注意が必要です。

ほかの店で補聴器を調整する場合、費用は1回あたり数千円から1万円程度です。可能であれば、購入したお店に依頼するのがよいでしょう。

費用に関して不安があれば、専門店に事前に問い合わせて費用の目安を聞いておきましょう。

補聴器を調整する頻度

補聴器を調整する頻度は、次の通りです。

  • 購入直後に3~10回
  • 使用開始後は2~3ヶ月に1度

購入時期や使用頻度を考えて、調整について専門店スタッフと相談するのも大切です。それぞれのタイミングについて解説します。

購入直後に3~10回

購入してすぐに、3〜10回程度の微調整を行います。最初に渡される補聴器は音量が小さめに設定されていて、調整を繰り返すことで使用者に合った音量にします。日常生活で違和感なく使用するためには、最初の微調整が必要です。

補聴器に慣れて生活音が耳に入りやすくなるには、個人差はありますが2〜3ヶ月以上はかかります。まずは補聴器の特徴を知って、自分の聞こえに合わせて適切に使えるようにしましょう。

使用開始後は2~3ヶ月に1度

本格的に使用を開始したら、2〜3ヶ月に1回の頻度で補聴器を調整するようにしましょう。

補聴器専門店によって費用に違いがある点に注意して、定期的にメンテナンスを依頼するのが大切です。補聴器の調整は繊細な作業であるため、認定補聴器技能者など補聴器専門のスタッフがいるお店に依頼をしましょう。

定期的に補聴器を調整しよう

定期的な補聴器の調整は、日常生活での聞こえを快適にするために重要です。専門スタッフによる調整で、補聴器の機能を維持して長く使用ができます。補聴器のメンテナンスは、故障のリスクを減らせる点がメリットです。

補聴器を使用していて気になる点がある方は、調整を依頼することで解決する場合もあります。補聴器に対する困り事があれば、すぐに購入した補聴器専門店に相談をしましょう。

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【Q&A】

Q1.補聴器の調整は自分でも出来ますか?

A1.補聴器の調整は購入したお店へ依頼しましょう。補聴器によっては、スマートフォンアプリで音量・音質の調整が可能なものもあります。

Q2.補聴器のクリーニングも併せて行いたい場合には、どうすればよいですか?

A2.認定補聴器専門店では、補聴器の調整とクリーニング、メンテナンスを行っています。最寄りの補聴器専門店に問い合わせて、対応しているか確認をしましょう。