コラム
補聴器について

補聴器が必要なレベルとは?補聴器購入の手順も解説

補聴器を使用する前に、補聴器を選ぶ判断基準として聴力レベルの把握が必要です。聴力のレベルによって、選ぶ補聴器も変わります。

補聴器相談医のいる耳鼻咽喉科で詳しい検査や診断をしてもらい、聴力レベルを把握してから専門店で補聴器を作成してもらいます。補聴器を購入した後も、定期的にメンテナンスや聴力の確認をするのが大切です。

今回はファミリー補聴器店長の吉野が、補聴器が必要なレベルと補聴器購入の手順を紹介します。ぜひ最後までご覧ください。

補聴器が必要なレベルとは?

日常生活で補聴器が必要なレベルは聴力レベルが40dB程度からとされることが多いようです。しかし、個々の生活の中での困りごと等によっては40dB未満の場合でも補聴器を使用することがあります。また、聴覚情報処理障害(APD)や聞き取り困難症(LiD)などの理由で、標準純音聴力検査における難聴でなくとも、補聴援助システムなどを活用するケースも考えられます。

まずは、耳鼻咽喉科で検査を受けて聴力レベルを知るのが大切です。耳垢が溜まっているなどで耳穴が塞がっていないかどうかも、治療の際に確認しておく必要があります。

加齢やストレスによる難聴が疑われる方は、早めの診察と検査を受けましょう。

難聴のレベルと特徴について

補聴器が必要なレベルは、大きく分けると下記の3つです。

  1. 正常~軽度難聴
  2. 中等~高度難聴
  3. 重度難聴

それぞれの難聴レベルによって、購入する補聴器の特徴も異なります。この章では、それぞれの特徴について解説します。

1.正常~軽度難聴

聴力レベル25dB未満が正常、25〜40dBの範囲内は軽度難聴とされます。軽度難聴では、騒音下での会話を難しく感じる点が特徴です。症状の度合いによっては、難聴が進む恐れも考えられます。

小さな声での会話が聞き取りにくくなると、会話によるコミュニケーションに難が出る可能性もあります。特に60代になると、加齢で軽度難聴レベルまで聴力が低下する方も多くなります。少しでも聴こえにくさを感じたら、診察が必要です。

2.中等~高度難聴

聴力レベルが40dB〜70dBが中等度、70dB〜90dBが高度難聴とされます。離れている場所からの声が聞き取りにくくなり、高度難聴になると、大きな声で耳元で話しかけてもらわないと聴き取れないといった状態が見られます。

加齢やストレスは聴こえに影響する可能性があります。中等度以上の難聴は、補聴器がないと日常生活に支障をきたすため、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。

3.重度難聴

聴力レベルが90dB以上は重度難聴とされます。

かなり大きな声を耳元でかけない限り、ほとんどの音が聴き取れない方もいます。日常生活でも大きな支障が想定できるため、多くの場合は補聴器の装着は必須です。

症状の進行具合によっては、人工内耳をつける場合もあります。人工内耳の装着可否は、補聴器と同様に医師の判断によるものとします。

補聴器を使うまでの3ステップ

補聴器を購入する手順は、次の3つです。

  1. 専門医のいる耳鼻咽喉科を受診する
  2. 補聴器の販売店にて必要書類を提出する
  3. 補聴器を装着する

この章では、それぞれの手順について解説します。補聴器の購入を考えている方は、ぜひ確認してください。

1.専門医のいる耳鼻咽喉科を受診する

補聴器が必要か診断してもらう場合は、補聴器相談医のいる耳鼻咽喉科に行きます。診察と検査をしたうえで、聴力レベルを診断して補聴器が必要なレベルかを判断します。

補聴器購入時は、医師から「補聴器適合に関する診療情報提供書」の発行を受けることが望ましいです。診療情報提供書を参考にして症状に合った補聴器を選びます。

診察の際は、聴こえの状態によって生活に支障が出ている件について詳しく伝えましょう。

2.補聴器の販売店にて書類を提出する

補聴器相談医から受け取った診療情報提供書を補聴器販売店に提出します。「補聴器適合に関する診療情報提供書」の宛先は認定補聴器専門店が指定されていることが多いようです。予め近隣の認定補聴器専門店を調べておくとよいでしょう。

販売店では補聴器の相談、試聴や貸出などのサービスを経て、補聴器を購入することができます。改めて聴力レベルの測定を受けたり、補聴器を作成するのに必要な耳の型を取ったりすることもあります。

どのような機能があるか、販売店のスタッフにアドバイスをもらいながら選ぶとよいでしょう。聴力レベルと補聴器の装用目的・環境をスタッフに伝えると、自分に合った補聴器を見つけやすくなります。

3.補聴器を装着する

補聴器を購入したら、事前に取り扱い説明を受けてから補聴器を装着します。場合によっては、購入して1〜2週間後に補聴器がフィットしているか耳鼻咽喉科や購入店舗で確認が行われます。

もし装着して聴こえに違和感を感じる場合は、専門医に相談をしましょう。少しずつ補聴器の機能やフィット感を調整しながら、自分の生活に合った補聴器にしていきます。

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補聴器を購入したら定期的にメンテナンスを

補聴器は製品にもよりますが、概ね5年程度が使用限度とされています。無理のない価格帯の補聴器を選んで、聴こえのレベルによって更新していく必要があります。

電池の交換や補聴器本体の掃除など、日常生活の中でもメンテナンスが大切です。

初めて補聴器を使う方で、不明点があれば専門店スタッフや補聴器相談医に確認しましょう。

聴力のレベルに合った補聴器を選ぼう

補聴器が必要と感じても、まずは自身の聴こえがどの程度のレベルか把握する必要があります。少しでも聴こえに違和感を感じたら、病院に行って診察や検査を受けて、補聴器が必要か医師に判断してもらうのが大切です。

特に加齢による難聴は進みやすいため、補聴器を使っていくうえで調整や交換などの必要も出てきます。自身の聴力レベルの変化を把握して、微調整をしながら自分のレベルに合う補聴器を選びましょう。

【Q&A】

Q1.補聴器は片耳のみの購入もできますか?

A1.片耳のみの購入もできます。補聴器を片耳のみ利用するか、両耳で利用するかを医師と相談して購入を決めましょう。

Q2.自分に合う補聴器を探すためにお試し装着は出来ますか?

A2.お店によってはできます。聴こえの状態を確かめながら、自分に合った補聴器を探せます。ファミリー補聴器では2週間のお試しレンタルを行っています。