補聴器は両耳に装着すると正しい効果が得られる?メリットを解説
補聴器は、聴力の落ちた耳だけに装着するイメージをもっている方が多いのではないでしょうか。補聴器を両耳に装着すると正しい聞こえが得られ、これまでより安心して生活できます。反対に、費用や管理する手間などがかかる点をデメリットに感じる場合もあるでしょう。
この記事では、補聴器を両耳へ装着するメリットや価格帯についてファミリー補聴器店長の吉野が解説します。補聴器を選ぶ方法についても合わせて紹介するので参考にしてください。
Contents
補聴器は両耳に装着すべき?
補聴器は、聴力の落ちた耳だけに装着するものだと思っていませんか。補聴器には両耳用・片耳用があり、基本的には両耳に装着すべきです。聴力が落ちた耳の機能を補うだけでなく、生活を安心して送れます。特別な理由や個人によって異なるものの、一般的には両耳に装着すべきです。
具体的な理由は以下の3点です。
- 正しい聞こえを得られる
- 耳への負担が軽減される
- 音の方向がわかり安全を得られる
補聴器を両耳に装着すべき理由について解説します。
【理由①】正しい聞こえを得られる
補聴器を両耳に装着すると、周囲の音が騒がしい場所での会話が聞き取りやすくなり、さまざまな方向から声をかけられても反応できます。コミュニケーションがとりやすくなる点もメリットです。
一般的に、騒がしい環境では左右の耳を無意識に使い分けて言葉を認識します。しかし、耳に障害があるときに片耳のみ補聴器を装着した状態だと、左右の耳で聞き分けられず騒音と言葉が混ざり合ってしまいます。
結果、聞き取りにくくなってしまうため、両耳に補聴器を装着するよう心がけましょう。
【理由②】耳への負担が軽減される
両耳に補聴器を装着することで、耳や脳へのストレスが軽減できます。補聴器の音量を左右で加減できるためです。補聴器が両耳で拾った音を脳内で処理する手助けとなるため、音を正しく認識できる点もメリットです。また、両耳から音を聴きとる処理は脳全体の活性化にもつながります。
結果、耳への負担を軽減でき疲れにくくなり、耳の老化を抑制できる点などからも両耳に装着した方がよいと考えられます。
【理由③】音の方向がわかり安全を得られる
補聴器を両耳に装着すると聴力が安定します。音がどこの方向から出ているのか把握できるため、外出時などの安全につながります。
例えば、歩道を歩いているタイミングで、自転車が勢いよくそばを通過するときなど、気づかなかったときの危険性が高いのは当然です。いざ自分の身に危険が及んだ場合に回避できる点からも、両耳への補聴器の装着は安全確保につながります。
補聴器を両耳に装着したときのデメリットとは?
補聴器を両耳に装着するとデメリットも生じます。
具体的には、以下の点です。
- 手入れや掃除が2倍になる
- 修理費や購入費などのコストもかかる
- 利き手側じゃない耳への装着が難しい
補聴器は両耳用を購入すると、セット料金で片耳用を2つ購入するよりも安く済む可能性があります。しかし、購入後の管理や掃除する手間が2倍になるほか、万が一修理が必要となった場合のコストが片耳用よりも高くつく可能性も否めません。
また、利き手側じゃない方の耳に装着するとき、うまくいかないといった点も小さなストレスになる可能性もあります。
補聴器は片耳用にすべき場合もある?
一般的に、補聴器は両耳への装着で効果を得られます。しかし、片耳だけに装着すべき場合もあるため、一概には言い切れません。
具体的には、以下のような点です。
- 耳の左右で聴力に差がある
- 両耳に補聴器を装着することでストレスを感じる
- 脳梗塞などの後遺症、聴覚神経の腫瘍によりどちらかの耳では聞き取れない場合
両耳に装着する方が補聴器の機能を最大限に活かせるものの、片耳用の補聴器が合う場合もあります。
また、補聴器の使用が初めての場合、これまで聞こえにくかった環境が一変し違和感を覚えるかもしれません。耳への負担が大きいと感じた場合には、片耳に装着して馴染ませるなどの方法もあります。
これらの判断は、医師に相談をしたうえで生活スタイルと合わせて検討しましょう。
補聴器の費用とは?片耳用と両耳用で紹介!
補聴器は片耳用と両耳用とでどれくらいの費用差があるのでしょうか。販売店やメーカーによって費用差があるものの一般的には以下の費用が相場です。
- 片耳:10~30万円
- 両耳:18~60万円
これらの価格差は、搭載されている機能によっても異なります。また、保証や紛失時の対応などもメーカーにより差があり、補聴器を購入する際の金額が異なる要因の1つともいえます。両耳に装着することで、得られるメリットは多くあるので必要な機能が搭載されている補聴器をお買い求めください。
補聴器を購入する際には、試着・視聴やレンタルをしましょう。お試し期間を設けることで自分の聴力に合う補聴器を入手しやすくなるためです。
補聴器を選ぶポイントは、以下の点です。
- 聴力に応じたもの
- 自分の生活スタイルに合うもの
- 予算に適したもの
左右の聴力に差がある場合、騒音が多い環境で暮らしている場合など、聴力や生活状況に応じて片耳用か両耳用かを判断します。必ず医師と相談をしたうえで、自分に合う補聴器を選びましょう。
まとめ
一般的に補聴器は両耳に装着すべきものです。両耳への装着で、より日頃の生活を安全に送れるため自分や家族も安心できます。両耳に装着する方がメリットは多くあるものの、片耳への装着が勧められる場合もあります。聴力差が大きい場合や補聴器をつけるストレスで症状が悪化するリスクが考えられる場合です。医師に相談をしたうえで自分に合った補聴器の購入を検討しましょう。
Q&A
Q.補聴器は両耳に装着すべき?
A.補聴器は両耳への装着で得られるメリットがあります。音の方向がわかりやすくなり、安全性を確保できる点やコミュニケーションがとりやすくなるなどです。また、耳の負担が減る点もメリットです。
Q.補聴器に片耳用があるのはなぜ?
A.片耳に装着すべき場合があるためです。聴力に差が生じている場合や両耳に補聴器を装着することでストレスになる場合は片耳用を着用するとよいでしょう。医師と相談して検討することが大切です。