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補聴器について補聴器業界

補聴器が動く仕組みとは?最新の機能についても解説

ファミリー補聴器店長の吉野です。補聴器にはアナログとデジタルがあり、ユーザーの聞こえやすさを追求してさまざまな機能が開発されてきました。これからも、日常生活を便利にするために補聴器は進化していくでしょう。

今回の記事では、補聴器が動く仕組みや欠かせない部品、便利な機能について解説します。補聴器の使用を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

補聴器が動く仕組み

補聴器は基本的に、マイクで音を集めてアンプで音を増幅・加工した後、レシーバーとよばれる部分で音を外に出し、ユーザーに聞こえるようにします。これらの部品によって、補聴器の機能が成り立っています。

耳あな型や耳かけ型など、補聴器の形状が異なっても基本的な仕組みに違いはありません。補聴器の仕組みを理解したうえで機能や形状を選び、聞こえや自分の生活スタイルに合ったものを装着するのが大切です。

補聴器が動くために欠かせない部品

補聴器をスムーズに動かすためには、次の4つの部品が欠かせません。

  • マイク
  • アンプ
  • レシーバー
  • 電池

いずれも、ユーザーの聞こえをサポートするのに必要な部品です。この章では、それぞれの部品の特徴について解説します。

マイク

外部から補聴器に伝わる音はマイクから入っていきます。

マイクの主な役割は、補聴器に入ってきた音を電気信号に変換することです。補聴器によってはマイクが2つ以上搭載されており、雑音を抑えつつ、広い場所でも過不足なく利用できる製品もあります。

マイクで変換された電気信号はアンプに伝わり増幅・加工されます。

アンプ

アンプは、補聴器が受け取る音を増幅・加工するための部品です。音楽の機材によく使用されていますが、補聴器の部品としても大きな役割を果たします。

音の強弱や高さを調整したり、不要な雑音を取り除いたりするのが主な役割です。外部から受け取った音を、より自然な形で耳に伝えるためには欠かせません。

まわりの人とコミュニケーションを図りやすくするために、アンプはユーザーの聞こえをサポートします。

レシーバー

レシーバーは、オーディオ機器でいうスピーカーの役割を果たします。アンプで変換した電気信号を音として出力して、ユーザーの鼓膜に伝えます。

レシーバーのサイズによって、出力できる音のパワーが異なるため、聴力を考えて選択する必要があります。

会話の内容をクリアに聞こえるようにするには、レシーバーの性能も重要です。

電池

補聴器を動かすためには、空気亜鉛電池といわれる特殊な電池が必要です。専用の電池をいくつか購入しておき、万が一の際に備えて持ち歩くとよいでしょう。日常生活で補聴器を装着する際は、電池の消耗に注意が必要です。

最新のデジタル補聴器のなかには、充電できるタイプの補聴器もあります。外出する前に、十分に充電をしておく必要があります。

聞こえを支えている機能

補聴器の機能には、次のようなものがあります。

  • 周囲の環境によって音量を自動調整する機能
  • ハウリング(ピーピー音)を抑制する機能
  • 音声ガイダンスによる通知機能

この章では、それぞれの機能について解説していきます。

周囲の環境によって音量を自動調整する機能

周囲の環境に合わせて、聞こえる音を自動調整する補聴器は増えています。さらに補聴器の小型化も進み、使いやすく聞こえやすい補聴器が開発されています。

本当に必要な音だけが聞こえるように、プログラムを変更することも可能です。自動調整もできますが、ユーザーの聞こえの状態に合わせて、購入後も専門店で繰り返し調整していきます。

デジタル補聴器の進歩によって、自動調整機能はさらに改良されると見込まれます。

ハウリング(ピーピー音)を抑制する機能

やっかいなハウリング(ピーピー音)を抑えつつ、快適に利用できる機能もついています。ユーザーにフィットした補聴器を利用することで、ハウリングは予防可能です。

製品によっては、周囲の雑音や音の強弱も調整して、ユーザーの生活をサポートします。より聞こえをクリアにするために、ハウリング抑制機能は大切です。

最新の補聴器にはハウリング抑制機能がついているので、購入の際に確認をしましょう。

音声ガイダンスによる通知機能

電池切れを防ぐために、音声ガイダンスを行う補聴器もあります。通知が聞こえたら、自宅や最寄りの専門店での電池交換が必要です。

充電タイプの場合も同様に、電池が切れそうになったら音声ガイダンスにて通知される機能があります。

通知が聞こえる前に、普段から十分に充電をしておき、日常生活で困らないようにしましょう。

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補聴器の仕組みをよく理解してから使用を

補聴器にはさまざまな種類や形状がありますが、基本的な仕組みはほとんど同じです。近年では、補聴器のデジタル化が進んでおり、聞こえを改善するための機能は今後も進歩していくでしょう。

自分の聞こえにあった機能がついている補聴器を装着すれば、日常生活を快適に送りやすくなります。補聴器の使用を検討している方は、まずはかかりつけ医に相談をしましょう。

【Q&A】

Q.補聴器は自分で分解できますか?

A.補聴器に異常が見られても、自分で分解して確認しようとすると故障につながります。自身で分解を行ってしまうと、例え保証期間内であっても修理を受け付けて貰えない場合も起こり得ます。

Q.補聴器の聞こえやすさを調整したいのですが、どうすればいいでしょうか?

A.補聴器は自分では調整できません。聞こえの状態を細かく主治医に伝えて、必要があれば補聴器専門店で調整をしてもらいます。