聴覚情報処理障害の原因とは?難聴との違いを解説!
ファミリー補聴器店長の吉野です。今回は、聴覚情報処理障害の原因について解説します。日常生活で、音はちゃんと聞こえているのに会話の内容が聞き取れなかったり、聞き返してしまったりした経験はありませんか?
会話をしている環境によって、実際に聞き取れない場面もあるかもしれませんが、もしかしたら聴覚情報処理障害によって聞き取れていない可能性も考えられます。
この記事では、聴覚情報処理障害について解説しますので、気になる方はぜひ読んで耳鼻咽喉科の受診を検討しましょう。
また、聴覚情報処理障害がある方に向けた支援機器を紹介するので、興味のある方は最後までご覧ください。
Contents
聴覚情報処理障害とは?
聴覚情報処理障害は、難聴とは異なり音が聞こえているのに、言葉の内容を理解できなかったり理解するのに時間がかかったりする症状です。
日常生活で、人の会話が「音」として認識できていても内容まで理解できないと困ってしまうことが多くあるでしょう。認識できないと聞き返すシーンも増えるため、円滑なコミュニケーションが取れないなどのマイナスなポイントも考えられます。
具体的に、聴覚情報処理障害の症状や難聴との違いについて紹介します。
主な症状
聴覚情報処理障害は、聴覚検査では異常がないものの、音声の聞き取りが困難な状態です。
主な症状は、次のような点です。
- 言葉は聞き取れても意味がわからない
- 意味をはきちがえてしまう
- 言葉自体がうまく聞き取れない
- 相手の言っていることがよくわからない
また、程度によっては、上記の症状はいつでも起こるわけではなく、次のような「聞き取りにくい環境下」で起こりやすくなるというケースもあります。
- 騒がしい環境
- 複数の方が同時に喋る
- 口元が見えない状態での会話
話が聞き取れなかったり、会話がわからなかったりすると悩んでいるときは、聴覚情報処理障害の可能性があります。思い当たる場合は病院を受診しましょう。
難聴との違い
聴覚情報処理障害は、難聴と似ているため間違える場合もあるかもしれません。
具体的な違いは次の通りです。
- 難聴:聴覚の異常により「音」そのものが脳に伝わらず、聞こえにくい状態
- 聴覚情報処理障害:聴覚に異常はなく「音」は聞こえているけれど、内容がわからない状態
大前提として聴力が正常であるかがポイントです。聴力検査により難聴が認められる場合には聴覚情報処理障害かの判断が難しくなります。
また、聴力検査では正常でありつつも言葉の聞き取りが難しいケースには「隠れ難聴」も想定されます。隠れ難聴は騒音負荷等に起因する内耳の障害と考えられておりますが、聴覚情報処理障害は内耳も含めて正常な場合に症状が起こります。
いずれも、医療機関にて診断されるものなので、耳鼻咽喉科へ詳しい検査を依頼しましょう。
聴覚情報処理障害の原因とは?
聴覚情報処理障害の原因は何があるのでしょうか。先天的なケースと後天的なケースがあるようですが、ワーキングメモリとよばれる目の前の仕事に集中する脳機能が低下した際に起こるのではないかと考えられます。
先天的にワーキングメモリが平均よりも著しく低いこともあり得ますが、後天的には認知機能の低下、体の不調、ストレスなどの心理的な原因でワーキングメモリが低下することもあるようです。
具体的に、聴覚情報処理障害の診断方法や治療方法について紹介します。
診断方法や治療方法
聴覚情報処理障害の診断方法は、耳鼻咽喉科でチェックリストを活用した原因を探る方法が用いられます。
例えば、以下のような内容です。
- 難聴の病気を指摘された
- 中耳炎の診断を受けた
- 聞く集中力が続かない
- 聞き返すことが多い
思い当たる節がある場合、そこに応じて治療方法を探ります。
環境を見直したり、周囲の方へ協力を得たりすることで症状が改善されることもあります。医師と相談をしながら、適切な治療を受けましょう。
補聴支援機器の利用も検討を
聴覚情報処理障害には、補聴を支援する機器の利用も効果的です。ここでは、フォナック社の「ロジャーフォーカス」を紹介します。
補聴器は難聴の方を対象とした機器であるものの、ロジャーフォーカスは難聴ではないけれど声を聞き取りにくい方を対象にしています。会話の内容を直接耳に届ける受信機のため、音声に集中し快適に過ごせる点がメリットです。
また、ロジャーフォーカスは誰でも簡単に使える点がメリットです。送信機と受信機はボタン1つでつながるため、初めて使う方でも簡単に操作できます。合わせて、複数台を接続もできるため、聴覚情報処理障害の方だけではなく、授業や講演会のシーンなどでも活用できる点がメリットです。
デジタル処理で周囲の環境音を軽減させているため、必要な音声を集中的に聞くことに長けています。
聴覚情報処理障害を理解するところから始めよう
聴覚情報処理障害は、聴力が正常であっても環境への不適応や心身の不調などの原因で言葉が認識できない状態です。聴覚情報処理障害は、周囲の方から支援を受けることも大切なため、自分の症状を理解して生活を送ることが大切です。
そのうえで、ロジャーフォーカスなど補聴支援機器を使いながら生活で困る点を解消しましょう。聞こえが悪かったり、言葉の認識が難しくコミュニケーションを取ることに不安があったりする方にとって、補聴支援機器は救世主となります。
Q&A
Q:聴覚情報処理障害は障害者手帳の交付対象?
A:障害者手帳の交付対象ではありません。しかし、同じような悩みを抱えている方が多くいます。そのため、将来的に行政のサポートを受けられる可能性があります。また、精神的な要因(ADHDやASDなど)の場合は、精神障害者手帳を取得できる可能性があります。
Q:支援機器は何歳から使用できる?
A:フォナック社のロジャーフォーカスは子どもでも使える支援機器です。日常生活や学校の授業でも使えて授業中の先生が話す内容を認識でき、勉強に遅れることが減るため安心です。内容がわからないと悩んでいる場合に、ぜひロジャーフォーカスの利用を検討ください。また、18歳未満の方は『フォナックこども割引』により、特別価格でロジャーフォーカスをご購入できます。