耳栓をすると耳鳴りは治る?耳鳴りの正しい対処法を解説
ファミリー補聴器店長の吉野です。つらい耳鳴りに対して、耳栓をすると治まるんじゃないかと試してみる方もいるでしょう。耳鳴りの原因に応じて適切に耳栓をつければ、症状を少しでも和らげられます。ただし、適切に使用しないと耳鳴りが悪化する可能性もあるので注意が必要です。
今回は、耳鳴りが起こる主な原因や対策を中心に解説します。ストレスや騒音などによる耳鳴りに悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
耳栓をすると耳鳴りが悪化する恐れもある
突発性難聴やメニエール病が原因の耳鳴りは耳栓では対処できません。耳鳴りが気になって耳栓を装着すると、かえって耳鳴りが悪化する恐れがあります。
早めに耳鼻咽喉科を受診して、ステロイド治療など適切な治療を受ける必要があります。
耳鳴りが起こる主な原因
耳鳴りが起こる主な原因は、次の4つです。
- 長時間騒音のある環境にいる
- 過度のストレスにさらされている
- 気圧の変化が大きい
- 耳の疾患がある
この章では、それぞれの原因について解説します。自分の置かれている環境と照らし合わせて、原因がないか考えてみてください。
長時間騒音のある環境にいる
長時間大きな音にさらされると、内耳の有毛細胞が損傷して感音性難聴になる可能性もあります。特に難聴になるリスクが高いのは、工事現場や大規模なライブ会場などです。
正常な聴力のある方でも、大きな音がある環境に居続けると難聴や耳鳴りの危険があります。音を聞く頻度や時間が多い(長い)ほど、難聴や耳鳴りのリスクが高まります。難聴や耳鳴りを予防する意味で、耳栓の装着は有意義となり得ます。
過度のストレスにさらされている
仕事や家庭などで過度なストレスを溜めることによって、難聴に陥る恐れがあります。
ストレスにさらされる環境に長期間いると、自律神経が乱れて耳鳴りになるリスクが高くなってしまいます。
耳鳴りと同時にめまいを起こす場合もあります。そのため、日頃からストレスを溜めない工夫が必要です。自分では対処しきれないほどのストレスを抱え、精神的にも辛い場合は早めの休息が欠かせません。
気圧の変化が大きい
天候がよくない日に耳鳴りがするのは、気圧の変化が原因とも言われます。梅雨の時期や台風の接近時など、低気圧の環境下においては細胞や血管の膨張と圧迫が起こって結果的に耳鳴りを引き起こします。
特に季節の変わり目や梅雨の時期は、高気圧と低気圧が変動しやすく耳鳴りが起こりやすくなります。低気圧による体の不調があるときは、無理をせずに耳と自身の体を休める行動をとるのが大切です。
耳の疾患がある
突発性難聴やメニエール病、急性中耳炎や内耳の疾患などでも耳鳴りは発生します。
疾患が疑われる場合は、早急に耳鼻咽喉科を受診して適切な治療を受けるのが大切です。専門医に詳しく耳の症状を伝えて、診察や検査を受けたうえで耳栓が必要かどうかを医師が判断します。
症状によっては、仕事に影響が出る可能性があるので早めに対処しましょう。
耳栓以外での耳鳴りの対処法
耳栓以外で耳鳴りに対処する方法には、次の3つがあります。
- 生活習慣を整える
- 食生活に配慮する
- 耳鼻咽喉科を受診する
この章では、それぞれの対策について解説します。耳栓以外の耳鳴り対策を探している方は、ぜひご確認ください。
生活習慣を整える
十分な入浴の時間と質のよい睡眠を取り、自律神経を整えていけば耳鳴りを予防できます。入浴や運動の時間を取って、全身(耳も含めて)の血流を改善すれば耳鳴りの症状緩和が可能です。
耳の血行をよくして、就寝時には大きな音楽などを聴くのを控えて耳を休ませると効果が出やすくなります。寝る前のスマートフォンやパソコン操作は自律神経にはよくないため、できる限り控えましょう。
食生活に配慮する
食べ過ぎや飲み過ぎに注意をしながら、食生活を整える必要もあります。末梢神経の動きに働きかけるビタミンB12や水分の補給により、耳鳴りの予防が可能です。
耳鳴りには、亜鉛や葉酸が効果的とされます。亜鉛は貝類や海藻類、葉酸は葉物野菜などにそれぞれ含まれる栄養素です。
カフェインには覚醒作用や興奮作用があり、自律神経や耳の神経に影響する可能性もあります。可能な限り控えましょう。
耳鼻咽喉科を受診する
耳鳴りが気になる場合は、早期に耳鼻咽喉科に行って診察や検査を受けましょう。耳の疾患による耳鳴りは、装着する方によっては耳栓の効果はあまり見られません。
耳鳴りの原因や耳の状態を詳しく知って、ステロイド治療や血流改善薬など各自に合った治療を受けるのが必要です。耳鳴りが1週間ほど続くようであれば、早めに病院や耳鼻咽喉科へ行きましょう。
耳鳴りは正しく対処しよう
耳鳴りが気になる方は、自己判断で耳栓を着けるのではなく、まずは耳鼻咽喉科を受診しましょう。耳栓を不適切に使用することで、余計に耳鳴りが悪化する可能性もあるので注意が大切です。
耳栓以外でも、耳鳴りの対策方法はあります。自分の聞こえの状態に合わせて、耳鼻咽喉科の医師の指導のもとで耳栓が必要かどうかを相談しましょう。
【Q&A】
Q1.耳鳴りがするとき以外は耳栓は外した方がよいですか?
A1.はい。しかし騒音が気になる場合は聴力に影響が出る可能性もあります。必要に応じて装着しましょう。
Q2.耳鳴りの専用の薬はあるのですか?
A2.耳鳴りだけに対処する薬は現時点ではありません。耳の疾患に関係ある薬を使って治療を進めます。