耳閉感の原因は?耳が詰まった感じがある方に対処法・予防法を紹介
ファミリー補聴器店長の吉野です。今回解説する耳閉感とは、耳に水がつまったり、耳が塞がったりするような感覚のことです。誰にでも起こるありふれた症状ですが、長く続く場合は難聴が進行している可能性があります。原因をはっきりさせ、適切な治療を受けましょう。
この記事では、耳閉感の原因となる耳垢栓塞や低音障害型感音難聴、メニエール病など、耳の病気と治療法について解説します。ぜひ参考にしてください。
Contents
耳閉感とは
耳閉感とは耳がつまったり、耳が塞がったりするような感覚のことです。お風呂やプールで耳に水が入ったとき、飛行機に乗ったときに起こりやすいもので、誰にでも経験があると思います。
耳閉感は一時的なもので自然に治るのがほとんどです。耳閉感に加えて耳鳴りやめまいがみられる場合や、症状が繰り返し起こる・長期間治らない場合は注意してください。難聴が進行している可能性があるので検査や治療を受けましょう。
耳閉感の原因を知るには
耳閉感は鼻詰まりや外耳の損傷、ストレスで起こります。耳閉感の原因を明らかにするためには耳鼻咽喉科を受診しましょう。問診で医師に症状を説明し、必要に応じて検査を受けます。
問診で問われる内容や検査内容について詳しく解説します。
耳鼻科での問診
医師に気になる症状を伝え、以下のような問診を受けます。
- 聞こえ方に異常がないか
- 耳に異物が入った可能性はないか
- 風邪をひいていないか
- ストレスや疲労・不調はないか
症状の度合いのほか、体調不良やストレスの有無を確認して、耳閉感の原因や耳の異常を明らかにします。風邪を引いて鼻づまりがひどい方は中耳炎になっている可能性があります。また、過度な疲労や慢性的なストレスが難聴につながることも少なくありません。
耳鼻科での検査
問診後、必要に応じて外耳・中耳・内耳を詳しく調べ、異常がある部分を見つけてもらいます。
顕微鏡や内視鏡で外耳と中耳を観察し、耳垢や異物で耳が塞がれてないか・外耳炎がないかを確認します。鼓膜や鼻の奥を確認し、中耳炎がないかを確認します。ティンパノメトリーは、空気圧の変化による音の伝わり方をみて、中耳の状態を調べる検査です。
外耳・中耳に問題がなければ、内耳の検査に移ります。標準純音聴力検査で聞こえの程度を調べ、難聴がある場合は伝音性難聴か感音性難聴かを判断します。めまいがある場合は眼振検査を行います。
耳閉感で疑われる病気と治療法
耳閉感がある場合、どのような病気が考えられるか外耳・中耳・内耳に分けて説明します。耳が詰まって塞がったように感じる耳閉感は、さまざまな病気の症状として現れます。
耳閉感が長く続く場合はこれらの病気の可能性があるため、速やかに医療機関を受診しましょう。
外耳が原因
次のような外耳の異常で、耳閉感が生じます。
- 耳垢栓塞
- 外耳炎
- 外耳道異物
耳垢栓塞とは耳垢が溜まり、外耳道を塞いでしまっている状態です。耳掃除のしすぎが原因として挙げられます。耳かきで耳垢を取るつもりが、反対に押し込んでしまい、耳穴を塞ぐ場合があります。耳鼻科に行き、固まった耳垢を薬でやわらかくし、取り除くことで耳閉感は解消するでしょう。
また、耳の触りすぎで外耳道が傷つき、細菌が入ると、炎症や腫れを起こします。
耳の中は強く擦らないようにし、耳の汚れが気になる場合は耳鼻科で掃除してもらって清潔に保ちましょう。
中耳が原因
次のような中耳の異常があるとき、耳閉感が生じます。
- 滲出性中耳炎
- 好酸球性中耳炎
- 急性中耳炎
- 慢性中耳炎
- 耳管狭窄症
- 耳管開放症
中耳炎は風邪の症状の1つです。鼻詰まりにより耳管が塞がり、中耳の内圧が低下して耳の痛みや発熱などを伴います。
風邪が治って鼻詰まりが解消すると中耳炎も回復に向かいます。症状が治らない場合は抗菌薬やステロイド剤による治療のほか、鼓膜切開・チュービングにより耳の中に溜まった水を除去します。
内耳が原因
次のような内耳の異常があるとき、耳閉感が生じます。
- 低音障害型感音難聴
- メニエール病
- 内リンパ水腫
- 突発性難聴
低音障害型感音難聴やメニエール病、突発性難聴といった感音性難聴により、耳閉感がみられる場合があります。症状を抑えるために、ビタミン剤やステロイド剤、血流改善薬やめまい止めなどの薬物療法を開始します。
耳閉感を予防するには
耳閉感を予防するために大切なことを紹介します。大きな音を長時間聞かないように、イヤホン・ヘッドホンの使用や作業環境を見直しましょう。
また、耳かきにより、耳垢を耳の奥に押し込んだり、外耳を傷つけたりする可能性があります。耳かきのしすぎには気をつけてください。異物感が気になる場合は耳鼻咽喉科で掃除をしてもらうとよいでしょう。
耳閉感や難聴の原因として、ストレスが挙げられます。ストレス源を見直し、生活習慣を整えてください。
耳閉感の原因を明らかにしよう
浴室やプールで耳に水が入ったときや飛行機に乗ったときなど、耳閉感は誰にでも起こるものです。すぐに治まるとよいですが、耳閉感がある原因として耳垢栓塞や中耳炎、メニエール病などを発症している場合もあります。
耳閉感が長期間続く場合は耳鼻咽喉科で原因を明らかにしましょう。問診と検査で外耳・中耳・内耳のどこに原因があるかを調べ、結果に合わせた治療が必要です。
耳の異変に気づいたら早めの対処が必要です。また、日頃から耳を酷使しないようにして、十分な休息をとりましょう。
【Q&A】
Q1:耳閉感は何が原因で起こりますか
A1:外耳に異常がある耳垢栓塞や外耳炎のほか、中耳炎やメニエール病などの難聴がある場合もあります。耳閉感が続く場合は医療機関を受診しましょう。
Q2:耳閉感の予防には何が効果的ですか
A2:耳閉感が起こる耳の病気を予防するためには、大きな音を長期間聞かないことやストレスをためないこと、バランスのよい食事や十分な睡眠といった規則正しい生活を心がけることが大切です。