コラム
難聴について

感音性難聴とは?症状が出る原因と予防方法について解説

ファミリー補聴器店長の吉野です。

感音性難聴は特に高齢者に多い難聴で、小さな音が聞き取りにくくなったり大きな音で辛い思いをしたりすることがあります。日常生活に支障をきたさないためには、適切な予防方法をとり症状を少しでも緩和するのが大切です。

今回の記事では、感音性難聴の原因と予防方法、補聴器での対策をするための準備などについて解説します。

感音性難聴を予防したいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

感音性難聴の症状

感音性難聴は、主に下記のような症状が見られます。

  • 音や言葉が聞き取りづらくなる
  • 大きな音を不快に感じる
  • 聴こえないストレスを感じる

この章では、3つの症状についてそれぞれ解説します。

音や言葉が聞き取りづらくなる

多くの場合、低音よりも高音が聞き取りづらくなるため、電子レンジや体温計などのアラーム音に気づきにくくなります。そして、人の言葉を聞き間違えたり聞き返したりする場面が多くなりがちです。

また、にぎやかな場所での会話に不便を感じやすくなります。日常生活において、ガヤガヤした場所に長時間いるのが精神的苦痛に感じる場合も見られます。

大きな音を不快に感じる

健康な聴力の方ならうるささを感じない音が、感音性難聴だと不快に感じるのも特徴です。聞き取りやすいようにと大きな声で話してくれたのに、かえって聞きづらく感じることもあります。

正しく調整された補聴器を使用することで、大きな音が耳に届かないように抑制できる場合もあります。予防のためには、認定補聴器専門店で相談して症状に合う補聴器を身につけるのが大切です。

聴こえないストレスを感じる

感音性難聴になると、音が思うように聴きとれずストレスを感じる場面がでてきます。聞き返したり聞き間違えたりする回数が増えると、コミュニケーションを億劫に感じ、他者との会話を避けるようになることもあるでしょう。

聴こえないストレスによって、疲労感が増してしまいます。静かな場所で過ごしたり一人で行動したりするなど、ストレス対策が必要です。

感音性難聴の主な原因

感音性難聴の原因として挙げられるのは、下記の2通りです。

  • 音響外傷
  • 生活習慣の乱れ

この章では、それぞれの原因について解説します。自分自身の症状がどちらの原因に当てはまるか、事前に確認してみましょう。

音響外傷

音楽業界や建設業界など大きな音を聞く機会が多い方は、耳の内耳が傷ついている恐れがあります。コンサート会場や工場現場に長時間滞在する際には、耳栓やイヤーマフなどを使って騒音を遮蔽するとよいでしょう。

大きな音によって耳に疲労感を覚える場合は、できるだけ静かな場所に移動するのも音響外傷の対策になります。

生活習慣の乱れ

音を感知する「有毛細胞」が損傷すると感音性難聴の症状を感じやすくなります。有毛細胞は血液を通して酸素や栄養を受け取っていますが、生活習慣の乱れにより血流障害が起こると酸素や栄養がうまく運ばれなくなります。

毎日の睡眠や食事の習慣を整えて、適度な運動習慣を取り入れるのも症状の改善につなげられます。できるところから、生活習慣を改善していきましょう。

感音性難聴の予防方法

感音性難聴を予防するには、下記2つのような方法があります。

  • 生活習慣を気にかける
  • 大音量に気をつける

この章では、それぞれの方法について解説します。

生活習慣を気にかける

生活習慣の乱れで自律神経のバランスが崩れると、脳が興奮状態になって交感神経が優位になり、聴こえに影響します。そのため、適度な運動やバランスのよい食事、7〜8時間程度の睡眠時間の確保が必要です。

起床と就寝の時間を規則正しくしたり、喫煙や飲酒を控えめにしたりするなどして、聴こえの悪化を予防していきましょう。

大音量に気をつける

日常生活の中で大音量による耳への負荷がかかると、聴こえに影響する場合があります。場合によっては、耳に大きな負担をかける事態にもなりかねません。

コンサート会場などで大きな音を聞いたら翌日は静かに過ごして耳を休めたり、電車や自動車などに長時間乗るときは耳栓を活用したりするなど、耳への負担を減らすようにしましょう。

感音性難聴による不便を補聴器で改善するには

感音性難聴の症状による生活の不便は、補聴器の活用によって改善できる可能性もあります。そのために必要な行動は下記の3つです。

  • 耳鼻咽喉科で相談する
  • 認定補聴器専門店で適切な調整を受ける
  • 定期的に耳と補聴器のチェックを行う

この章では、それぞれのポイントについて解説します。

耳鼻咽喉科で相談する

まずは、耳鼻咽喉科で感音性難聴の症状について診察してもらいます。日常の聴こえの状態について、医師に詳しく伝えるのが大切です。診察にて、補聴器の使用が望ましいと伝えられた場合は補聴器相談医を紹介してもらいます。

補聴器相談医に耳の症状を具体的に伝えて、認定補聴器専門店宛ての紹介状(診療情報提供書)を発行してもらいましょう。

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認定補聴器専門店で適切な調整を受ける

認定補聴器専門店では、補聴器の適切な調整を受けられます。大きな音を不快に感じる症状がある場合は「不快閾値測定」と呼ばれる、大きな音を我慢する力を調べてもらいます。そして、補聴器の最大出力を抑えることが可能です。

補聴器の装用効果を調べながら調整をしていけば、言葉の聞き取りが改善されやすくなります。

定期的に耳と補聴器のチェックを行う

補聴器を作製したあとも、定期的に耳鼻咽喉科に通い、耳の状態に変化がないかチェックしてもらいましょう。不安や不明点があれば、診察で相談しておくとあとで困りにくくなります。

補聴器は精密機器の一つです。購入したあとも、認定補聴器専門店で定期的にメンテナンスを受けながら使用していきましょう。聴こえの状態に合わせて、補聴器を調整してもらうのが必要です。

感音性難聴の予防を心がけよう

感音性難聴の予防には日常的な生活習慣の見直しが重要です。できるだけ若いうちから規則的な生活を送るようにしましょう。また、大きな音をできるだけ聞かないようにすることも意識してください。

万が一、感音性難聴の診断が出た場合は、補聴器によって症状を緩和できる場合もあります。医師とよく相談して、補聴器が必要かどうか確かめましょう。

感音性難聴に対応した補聴器については、ぜひファミリー補聴器までご相談ください。

【Q&A】

Q1.感音性難聴は加齢が原因にもなりますか?

A1.加齢が直接の原因とは限りません。音響外傷や生活習慣の乱れにより、内耳の細胞が徐々に損傷を受けることで感音性難聴の症状が出てきます。一度損傷した内耳の細胞は回復しないため、高齢になるほど症状が現れやすくなります。

Q2.感音性難聴は補聴器で治りますか?

A2.補聴器は感音難聴を治療するためのものではなく、感音難聴の症状を改善させるためのものです。聴こえづらさなどを改善できる可能性があります。