コラム
難聴について

難聴の初期症状は?当てはまるものがあれば早めの受診を

ファミリー補聴器店長の吉野です。今回は難聴の初期症状について解説します。

「電話の声が聞き取りにくい」「聞こえ方がいつもと違う気がする」といった症状はありませんか。この記事では、放っておくと危険な症状や起こりやすい耳の疾患について解説します。

難聴につながる初期症状で当てはまるものがないか確認しましょう。聞こえに違和感がある場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診してください。

難聴の初期症状にはどんなものがある?

難聴につながる初期症状を紹介します。以下に当てはまる症状はありませんか。

  • 声が聞き取りにくくなった
  • 聞き返すことが多くなった
  • 電話がしづらい
  • 音の聞こえ方が違う
  • 自分の声がこもって聞こえる
  • 音が二重に聞こえる
  • 声が響きエコーがかって聞こえる
  • 耳鳴りやめまい、吐き気がある

「テレビの音量が大きくなった」「話しかけても気づかれない」など、家族やまわりの人に指摘されて初めて症状に気づくケースもあります。症状が治まらない場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。

初期症状から考えられる耳の病気

先ほどの症状から考えられる耳の病気のうち、患者数が多いものを解説します。

  • 加齢性難聴
  • 突発性難聴
  • メニエール病
  • 急性低音障害型感音難聴
  • 音響外傷

どのような難聴なのか、症状や原因を紹介するため参考にしてください。

加齢性難聴

加齢とともに起こる難聴を加齢性難聴とよびます。音を電気信号に変換して脳に届ける役割をもつ、内耳の感覚細胞が減少するのが原因です。

聴力の低下は40歳代から起こり、高い音から徐々に聞こえづらくなります。60歳代では軽度難聴レベルまで聴力が低下する方が増え、75歳以上になると約半数の方が聞こえにくさで悩んでいるといわれます。

大きな音を長時間聞かないようにして、規則正しい生活を心がけましょう。また、軽度難聴のうちから補聴器で聞こえを補い、症状の進行を緩やかにすることが大切です。

突発性難聴

急に片耳が聞こえなくなった場合は、突発性難聴の可能性があります。左右どちらかの耳に起こるケースが多く、ほかに現れる症状として、耳閉感や耳鳴り、エコーがかかって聞こえる、めまいや吐き気などが挙げられます。

ウィルス感染や血液循環障害による有毛細胞の損傷、ストレスや睡眠不足などが影響しているといわれますが、原因ははっきりとしません。

突発性難聴と診断されたら、ステロイド薬や血管拡張薬などの薬物療法を受けます。症状が出て1週間以内、遅くても2週間以内に治療するのが大切です。

処置が遅れると聴力が低い状態で固定され、回復が見込めないことがあります。

メニエール病

メニエール病は、難聴や耳が詰まった感じ、吐き気・嘔吐とともに重度の回転性めまいを繰り返す疾患です。メニエール病には厳密な診断基準があり、症状が繰り返し起こる点に加え、検査と経過観察によって診断されます。

ストレスや睡眠不足、疲労・気圧の変化が原因です。内耳のリンパが増えて水ぶくれになる、内リンパ水腫によって起こります。

メニエール病の治療として、めまいを止める薬や利尿剤、循環改善薬などが処方されます。

急性低音障害型感音難聴

急性低音障害型感音難聴は、内耳の障害で低い音が聞こえにくくなります。ストレス難聴ともよばれ、30代から40代の女性に多い傾向がある難聴です。

耳閉感や耳鳴り、聴覚過敏や軽いめまいをともなうことがあります。

数日から数週間で治るケースが多く、症状が繰り返し起こるようになるとメニエール病と診断されることもあります。

音響外傷

まわりの音によって起こる騒音性難聴や音響性難聴にも注意が必要です。

音響外傷は、工事現場やライブ会場など騒音下で過ごす時間が多い方や、イヤホンやヘッドホンで大きな音を長時間聴く方に起こりやすい病気です。

世界保健機構(WHO)はヘッドホンの使用について次のようなことを推奨しています。

  • 大きな音で長時間使用しない
  • 合間に休憩をはさむ
  • ノイズキャンセリングイヤホンを使う
  • 音量制限や監視機能のついたスマートフォンを使う

音響外傷を予防するために、騒音下では耳栓を使用し、定期的に耳を休ませることが大切です。

耳の症状がある場合は早めの受診を

今回の記事で紹介した「最近聞き返すことが増えた」「自分の声がこもって聞こえる」などの初期症状がある方は医療機関を受診しましょう。

加齢で起こる加齢性難聴は、早めに対処して進行を抑えることが大切です。難聴が進むとまわりの人とコミュニケーションを取る機会が減り、孤独を感じたり認知機能が低下したりするおそれもあります。

突発性難聴のように放置することで、聴力が低い状態で固定されてしまう病気もあるため注意が必要です。

耳鼻咽喉科では、聴覚検査やMRI検査などを行い、症状に合わせて治療します。症状に合わせて薬物療法や補聴器を使った聴こえの補助を行います。

ファミリー補聴器のバナー

補聴器が必要な場合はご相談ください

耳鼻咽喉科を受診し、医師から勧められたら補聴器の使用を検討しましょう。

青梅市周辺にお住まいの方はファミリー補聴器にご相談ください。補聴器のプロである認定補聴器技能者が在籍し、聞こえの相談に応じます。

最長2週間まで無料で補聴器を試すこともできます。

【Q&A】

Q1:難聴に基準はありますか?

A1:難聴の程度は、平均聴力レベル(dB)で軽度・中度・高度・重度に分けられます。

Q2:加齢による難聴は回復しますか?

A2:加齢性難聴は、根本的な治療ができません。補聴器や人工内耳で聞こえを補います。