コラム
難聴について

感音性難聴は治る?悪化の予防や家族ができるサポートについても解説

感音性難聴は内耳や聴神経に問題が起こり、音声を聞き取りにくくなる難聴です。この記事では感音性難聴は治るのか、知りたい方に向けて感音性難聴の原因や症状、ほかの難聴との違いを解説します。

難聴の悪化予防や、身近な方が感音性難聴と診断された際にできるサポートについても紹介するのでぜひ参考にしてください。

感音性難聴は治る?聴覚の回復は難しい

感音性難聴は内耳や聴神経に障害があるために音が脳に伝わらず、言葉をうまく聞き取れなくなる難聴です。聴力の回復は難しく、残った聴力を生かすために補聴器や人工内耳を利用する場合もあります。

感音性難聴となる原因や特徴を詳しく解説します。

【原因】内耳や聴神経の障害で起こる

感音性難聴の原因は有毛細胞や聴神経の損傷です。有毛細胞は内耳の蝸牛とよばれる器官にあり、音や平衡感覚を感じ取ります。以下の要因で有毛細胞の損傷が起こり、感音性難聴が進行します。

  • 加齢
  • 騒音
  • 大音量でのイヤホン使用
  • メニエール病
  • 頭部の外傷

これらは後天的に起こる感音性難聴ですが、遺伝や胎児期の発達異常による先天性のものもあります。

【特徴】高い音の聞き取りが難しい

感音性難聴の特徴として、次のような困りごとが挙げられます。

  • 高い音が聞き取りにくい
  • 内容を理解するのに時間がかかる
  • 特定の音声を聞き分けられない

感音性難聴の方の多くは高い周波数の音、例えば着信音や体温計などの電子音が聞き取りにくい傾向にあります。ほかにも、音は聞こえていても不明瞭で内容を理解するのに時間がかかる、音の聞き分けが難しいため複数人での会話がしづらいなどが特徴です。

感音性難聴の進行でまわりの方とコミュニケーションが取りにくくなり、精神的なストレスや消極的姿勢、うつ病や認知症につながる場合もあります。

伝音性難聴との違い

内耳や聴神経に問題がある感音性難聴に比べ、伝音性難聴は外耳や中耳の機能低下で起こります。伝音性難聴の原因としては以下が挙げられ、大きな音でないと聞きづらいと感じます。

  • 耳垢などで耳穴がふさがった状態
  • 中耳炎
  • 鼓膜の傷

伝音性難聴は薬物療法や手術により、聞こえの回復が期待できるのが特徴です。音を脳に伝える機能は問題ないため、音を増幅させる補聴器の効果が期待できます。

加齢によって起こる難聴は、感音性難聴と伝音性難聴、両方の症状をもつ混合性難聴である場合が多くみられます。

感音性難聴の悪化を予防するために

難聴の悪化を予防するには、検診により聴力レベルを把握し、適切な治療を受けることが大切です。一般的に中等度~高度は補聴器を利用し、重度は人工内耳で聴力をサポートします。

難聴の程度分類(日本聴覚医学会)

軽度平均聴力レベル:25dB以上-40dB未満
中等度平均聴力レベル:40dB以上-70dB未満
高度平均聴力レベル:70dB以上-90dB未満
重度平均聴力レベル:90dB以上

加えて、長く聴力を保てるよう、耳によい生活を心がけましょう。難聴の進行には加齢やストレス、生活習慣や環境が影響します。強いストレスや不規則な生活習慣による自律神経の乱れは、めまいや耳鳴りの原因です。

また、気温や気圧の変化も耳の調子に影響があります。血流が悪くなると耳の有毛細胞まで酸素や栄養が十分に運ばれず、細胞が損傷しやすくなります。

家族や周囲の方ができること

家族や身近な方が感音性難聴である場合に、接するうえで気をつけたい点、サポートできる点について解説します。難聴の程度や聞こえ方、必要なサポートは個人によって異なりますが、参考になる部分もあると思うのでぜひ読んでください。

難聴の方との接し方

騒がしい場所を避け、静かな状況での会話を心がけましょう。以下のような、本人がコミュニケーションを取りやすい方法を確認してください。

  • 筆談や書面など文字でやりとりをする
  • 相手の注意を引いて、正面から話す
  • はっきりと丁寧に、口の動きがわかるよう話す
  • 内容が伝わっているか確認する

中には配慮を受けている状況をストレスに感じたり、コミュニケーションを避けたりといった方もいます。必要とされた場合にサポートできるよう、感音性難聴や現状について知っておくのも大切です。

自治体の支援を受ける

平均聴力レベルが70dB以上であるなど、難聴の程度によっては障害者手帳を申請できます。障害者手帳の取得により医療費の助成や公共機関の割引、障害年金の受給などの支援が受けられます。就労支援を受けることにより、難聴に理解や配慮のある環境を探せるのもメリットです。

本人が取得希望であれば、申請方法の確認や書類の準備をサポートできます。難聴での障害者手帳の取得条件については、こちらの記事で詳しく紹介しているのでぜひ参考にしてください。

定期的な耳鼻科の受診・相談が大切

この記事では感音性難聴は治るのか、原因や特徴と、感音性難聴がある方の家族や周囲の方ができるサポートについて解説しました。感音性難聴は、内耳や聴神経の損傷が原因であり、失った聴力の回復は難しいといえます。

まずは耳鼻科を受診し、難聴の程度を確かめたうえで医師に今後を相談しましょう。補聴器や人工内耳は医師が必要だと判断した場合に利用します。補聴器の利用を勧められた場合は、ファミリー補聴器に相談してください。

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Q&A

①感音性難聴と診断されたら、もう以前のようには聞こえないのでしょうか。

⇒感音性難聴は治療が難しく、聴力を完全に回復させることは困難です。耳鼻科の定期的な受診が大切であり、医師の診断に応じて補聴器や人工内耳を利用します。

②身近に感音性難聴の方がいる場合はどのようなサポートができますか。

⇒感音性難聴について知識をもつ・コミュニケーションがうまく取れるよう、会話の環境や方法を見直す・障害者手帳の取得サポートなどで寄り添うことができます。