コラム
難聴について

ストレスで難聴に?気をつけたい耳の病気とストレス対処法を解説

ファミリー補聴器店長の吉野です。過度な疲労やストレスが難聴につながることを知っていますか?

この記事ではストレスで起こる難聴と、ストレスへの対処法について詳しく紹介します。ぜひ参考にして、生活習慣を見直すことで自分の身体を大切にしましょう。

ストレスで起こる難聴は?

疲労やストレスが溜まっている状態は、次のような難聴の原因となります。

  • 突発性難聴
  • メニエール病
  • 低音障害型感音難聴

ストレスで起こる難聴の症状や治療法について詳しく解説します。

➀突発性難聴

突発性難聴は、主に左右どちらかの耳が突然聞こえにくくなる病気です。音をうまく感じ取れない感音難聴で、40〜60代の方に多くみられます。

耳が詰まった感じに加え、耳鳴りやめまい、吐き気をもよおすこともあります。症状の波はみられず、一度発症すると再発しません。

突発性難聴の原因は、ウイルスの感染や内耳の血流障害だと考えられています。過度なストレスや過労、睡眠不足・糖尿病もリスクを高めます。

1週間以内の治療で40%の方は完治するといわれるように、突発性難聴は早期発見・治療が大切です。

純音聴力検査やティンパノメトリーで診断し、血管拡張薬やステロイドなどで治療が行われます。

➁メニエール病

メニエール病は、内耳にリンパ液が溜まって起こり、回転性のめまいや耳鳴りをともなう病気です。ストレスや過労、睡眠不足で起こりやすく、耳が詰まった感じや頭痛、吐き気がみられます。

気をつけなければならないのは、めまいを繰り返すと高度難聴が残るおそれがある点です。治療には利尿剤や血管拡張薬、ビタミン剤、めまい薬などが使用されます。

③低音障害型感音難聴

低音障害型感音難聴は20~30代の女性に多い病気で、低音域の音だけが聞こえにくくなります。耳が詰まった感じや水が入った感じがあり、低音の耳鳴りや自分の声が響くといった症状がみられます。メニエール病と異なり、めまいは起こりません。

低音障害型感音難聴も、疲れやストレス・睡眠不足が原因とされています。繰り返し発症することも多い病気で、利尿剤や血管拡張薬、ステロイドなどで治療を行います。

そもそもストレスとは?

ストレスは外部からの刺激(ストレッサー)を受けたときに生じる、緊張状態のことです。ストレス反応はライフステージの変化、特に生活環境や人間関係の変化で起こりやすくなります。社会的理由以外にも、次のような物理的・科学的理由でストレス反応が起こります。

ストレス反応の原因と内容

心理・社会的ストレッサー家庭や職場での人間関係・仕事の量・仕事の質など
物理的ストレッサー気温・気圧・騒音など
科学的ストレッサー公害物質・薬物・酒・たばこなど

ストレス反応が慢性的に起こると、次のように心理面・身体面・行動面にさまざまな影響を及ぼします。

ストレスによる影響

心理面気分の落ち込み・イライラ・不安
身体面肩こり・腰痛・頭痛・食欲低下・胃痛・不眠
行動面飲酒や喫煙量の増加・遅刻やうっかりミスの増加

このようなストレス反応から心身を守るためにできることを紹介します。

ストレスへの対処方法

ストレスへの対処で、必要なことを順を追って解説します。

  1. ストレスを自覚する
  2. ストレスの原因を取り除く
  3. 周囲に協力を求める

普段の生活を振り返って、難聴やさまざまな病気から自分を守りましょう。

➀ストレスを自覚する

心身の不調が起こる前に、自分のストレスサインに気がつくことが大切です。次のような症状が長く続いていませんか。

  • 気分の落ち込みがある
  • 不眠がちである
  • 胃の調子が悪い
  • 理由なしにイライラする
  • うっかりミスやヒヤリハットが増えた

多く当てはまる方は、慢性的なストレスがあるため、十分な休息や気分転換が必要です。家庭や仕事環境、人間関係のどのような場面でストレス反応が起こっているかを把握しましょう。

➁ストレスの原因を取り除く

ストレスへの対処法として、ストレッサーを除くほか、ストレス反応を緩和させる、ストレスを発散するなどがあります。

家庭の問題や職場での待遇、人間関係が原因だと、根本的に解決することが難しいケースもあるでしょう。その場合は休息や睡眠を十分に取り、次のように生活習慣を整えることで気分転換を図ります。

  • 湯船にゆっくり浸かる
  • バランスのよい食事をとる
  • 新しく趣味を見つける
  • 思いきり体を動かす
  • 友人と会って話す

また、ストレスからくる難聴を予防するには、次のことに気をつけましょう。

  • 急激な気圧の変化を避ける(飛行機・ダイビング)
  • ヘッドホンの長時間使用を避ける
  • こまめに水分補給を行う

ストレス反応に慣れずに、自分の身体を大切にしてください。

③周囲に協力を求める

ストレスで心身がつらいときは家族や友人、同僚など周囲の方を頼りましょう。直接的な解決にならなくても、自分の気持ちを聞いてもらうだけで安心し、心が軽くなることもあります。

職場でのストレスを少しでも減らせるよう、上司に状況や働き方の要望を伝えましょう。環境ストレス反応が長期的に続く場合は、医師やカウンセラーなど専門家に相談してください。

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ストレスを解消して難聴を予防しよう

この記事では、ストレスが原因で起こる難聴と実践したいストレス対処法について解説しました。ストレスが原因となる難聴は、突発性難聴やメニエール病、低音障害型感音難聴が挙げられます。聞こえ方に違和感を覚えた場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診してください。

また、ストレスへの対処として、次の方法を実践しましょう。

  1. ストレスを自覚する
  2. 原因を取り除く
  3. 周囲に協力を求める

慢性的な疲労やストレスは、難聴のほかにもさまざまな病気の原因となります。休息や睡眠時間を十分に取り、生活習慣を整えることが大切です。

【Q&A】

Q1.ストレスが解消すると、難聴の症状も回復しますか?

A1.聴力が低下した状態が続くと、ストレス源を取り除いても元の聞こえには戻りません。突発性難聴では、1週間以内に治療を始められるかが予後を左右します。聞こえに違和感を覚えた場合は、できるだけ早く医療機関を受診してください。

Q2.難聴以外に、ストレスが原因で起こる病気はありますか?

A2.ストレス反応が続くと、難聴以外にもさまざまな病気を発症するおそれがあります。気管支喘息や狭心症、過敏性腸症候群、円形脱毛症などです。