突発性難聴に補聴器はいつから必要?補聴器購入の基本知識も解説
突発性難聴が起こったら、いつから補聴器が必要でしょうか。突発性難聴は一般的に突然片方の耳が聞こえにくくなる難聴です。稀に両方の耳に症状が生じる場合もあります。症状や回復には個人差があり、もう片方の聴力が正常であれば、補聴器を利用しないこともあります。
今回は、ファミリー補聴器店長の吉野が突発性難聴と補聴器について詳しく解説します。聴力に左右差がある方向けの補聴器や、補聴器を購入する流れについて知りたい方はぜひ参考にしてください。
Contents
突発性難聴に補聴器はいつから必要か
突発性難聴は突然耳が聞こえにくくなる難聴で、一般的には片方の耳にのみ起こります。
補聴器を利用するかどうかは医師の判断が必要です。突発性難聴の症状が表れてから2カ月以上が経ち、聴力が固定されているか、補聴器が聞こえの改善につながるかといった点を考慮します。
突発性難聴は治る?
突発性難聴の原因は明らかにされておらず、特効薬もありません。服用や点滴による薬物治療を行います。
症状が表れてから治療までの時間が短いほど、症状が回復する可能性も高いといわれています。耳に違和感を覚えてから、できるだけ早期に耳鼻咽喉科を受診することが大切です。ただし、過度に慌てて夜間や休日の緊急外来等を受診しても対応してもらえませんので注意してください。
発症して2週間ほど経ってからの治療になると聴力が固定され、聞こえの回復が難しくなります。ここでは突発性難聴の原因や症状、治療について詳しく解説します。
【原因】明らかになっていない
突発性難聴の原因は明らかになっていません。次の2つの説が有力とされています。
- 内耳への血流障害
- ウイルス感染によるもの
内耳の血流が悪くなると、脳に音をうまく伝えられず聴力の低下を招きます。風邪やおたふくなどのウイルス感染による影響も考えられています。
突発性難聴はほかにも糖尿病やストレス、過労や睡眠不足などがある方に起こりやすいとされる難聴です。
【症状】片方の耳で難聴が起こる
突発性難聴の症状として次のものが挙げられます。高い音のみ聞こえないケースやほとんど音が聞こえないケースなど、症状には個人差があります。
- 急に耳が聞こえにくくなった
- 耳鳴りやめまいがある
- 耳が詰まったような違和感がある
- 高い音が聞こえにくい
- 低音から高音まで幅広い音が聞こえにくい
突発性難聴は聴力が固定されてしまうと治療が難しい難聴です。難聴の進行や症状の波はみられず、症状が改善したあとの再発はないといわれています。
【治療】早めの治療がカギとなる
突発性難聴では、服用・点滴による薬物治療を行います。特効薬がないため、難聴の回復には耳鼻咽喉科の早期受診が大切です。
発症から2週間を超えると、聴力が低下した状態のまま回復が難しいといわれます。
薬物治療で使用されるのはステロイド剤や血管拡張薬、ビタミンB12などのビタミンです。
併せてバランスの取れた食事や十分な睡眠、適度な運動など耳によい生活を心がけましょう。
補聴器が必要だと診断されたら
補聴器は難聴の症状が表れてから2カ月間以上が経ち、症状が安定してから医師の指示のもと装用します。補聴器が必要と診断されたら、医師の紹介状をもとに補聴器専門店に足を運びましょう。
以下、補聴器の購入やメンテナンスについて詳しく解説します。
【購入】認定補聴器専門店を選ぼう
補聴器の購入には、認定補聴器技能者が在籍する、認定補聴器専門店を選びましょう。認定補聴器技能者は補聴器のプロフェッショナルであり、豊富な知識と確かな技術であなたに合った補聴器を選んでくれます。
価格は数万円台から、中には60万円を超える補聴器もありますが、高価であるほどあなたに適しているとも限りません。
補聴器の購入による負担を少しでも減らすために、お住まいの自治体で助成金や補助制度が行われていないかを確認するほか、医療費控除を忘れずに申請しましょう。
【メンテナンス】よりよい聞こえを追求しよう
補聴器の購入直後はもちろん、使い始めてからも細かい調整が必要となるので定期的にメンテナンスを受けましょう。長く使用するものなので、購入店舗を選ぶときはアフターフォローが充実しているかどうかも大切です。
ファミリー補聴器では、購入前のレンタルや購入後のメンテナンスに加え、オーダーメード補聴器の再作サービス(購入後120日以内)や修理保証(2年あるいは4年)などを行っています。お近くの方はぜひご相談ください。
突発性難聴の方に向けた補聴器
突発性難聴など、聴力に左右差がある方に向けた補聴器として、クロス補聴器があります。聞こえにくい側の補聴器から拾った音は反対側の補聴器に送られるため、両側の音を聞きやすくなります。
両側の補聴器で拾った音を聞こえやすい方の耳で受け取るため、音の方向がわかりにくい点がデメリットです。また、一般的な補聴器と比べて電池の消費が激しいといわれます。
突発性難聴は早めの受診・補聴器はメンテナンスが大切
今回は、突発性難聴と補聴器について紹介しました。突発性難聴は症状が表れてからの早めの受診が大切です。
医師の判断により補聴器が必要になった場合は、補聴器のプロである認定補聴器技能者に相談しましょう。補聴器と長く付き合っていくには、販売店舗での定期的なメンテナンスが大切です。
【Q&A】
Q1:突発性難聴は治りますか?
A1:突発性難聴の回復には耳に違和感を覚えた時点での迅速な対応が大切です。治療が遅くなると聴力が固定され、回復が見込めない場合もあります。
Q2:補聴器を使いこなすまでの手順は?
A2:医師の診断で補聴器が必要となったら、紹介状をもって補聴器専門店に足を運びます。専門員と相談して自分に合った補聴器を選び、購入後細かい調整やメンテナンスを重ねてよりよい聞こえを追求します。