コラム
補助金・助成制度

補聴器の購入に自治体の助成を受けられる?申請する流れとは

補聴器は購入費用が高く、負担がかかりやすい傾向にあります。補聴器の購入に関する助成制度などにより、自治体からの支援を受けられると安心して購入できます。

この記事では、補聴器を購入するときに受けられる自治体の助成制度について解説します。国の取り組みと比較しながら解説するので、国の助成に限らず自治体の制度を受けると際の参考にしてください。

また、令和6年度より東京都で始まる「高齢者聞こえのコミュニケーション支援事業」について知りたい方は、こちらの記事も併せてご覧になってください。
補聴器の購入を補助する「高齢者聞こえのコミュニケーション支援事業」とは?(https://hochoki.family-megane.co.jp/subsidy/communication/)

補聴器購入時に受けられる自治体の助成とは

補聴器の購入費用は高く、必要な機器であったとしても負担を減らしたいと思うことでしょう。健康保険や介護保険が適用されない補聴器の購入は、一般的には自費購入となるものの、国やお住まいの自治体から支援を受けられる場合があります。

自治体が設けている助成制度では、助成の限度額が10,000円~137,000円までと自治体によって差が生じているのが現状です。その中では、20,000円~50,000円の助成限度額が多く設定されています。

この記事では、青梅市と隣接の自治体での取り組みについて紹介します。

青梅市の補聴器購入助成制度について

以下の①~⑤のすべてに該当する場合、補聴器本体およびその付属品にかかる費用について4万円を上限に助成を受けられます。

①市内に住所を有する、満65歳以上の方(申請年度に65歳になる方を含みます。)
②住民税非課税の方
③障害者総合支援法による補装具としての補聴器の支給を受けられない方
④過去5年以内に、本事業による助成を受けていない方
⑤耳鼻咽喉科を受診し、中等度難聴(両耳の平均聴力が40デシベル以上70デシベル未満)以上であることおよび補聴器の装用が必要であると診断を受け、医師意見書等を得ることができる方​

申請・相談の窓口は高齢者支援課です。詳細は窓口でご確認ください。


以下の①~④のすべてに該当する場合、青梅市にお住まいの方は補聴器1台の購入時に最大137,000円の補助を受けることができます。

①18歳未満の児童
②両耳の聴力レベルが概ね30dB以上であり、身体障害者手帳(聴覚障害)交付の対象となる聴力ではないこと
③補聴器の装用により、言語の習得等一定の効果が期待できると医師が判断する者
④対象児童の属する世帯の最多区市町村民税所得割課税者の納税額が46万円未満である

申請・相談の窓口は障がい者福祉課です。過去に同様の制度を利用した場合や、その他の制度によって助成を受けている場合は対象外になることもあります。また、世帯収入によては自己負担が発生することもありますので、詳細は窓口でご確認ください。

羽村市の補聴器購入助成制度について

以下の①~④のすべてに該当する場合、羽村市にお住まいの方は補聴器1台の購入時に最大137,000円の補助を受けることができます。

①18歳未満の児童
②両耳の聴力レベルが概ね30dB以上であり、身体障害者手帳(聴覚障害)交付の対象となる聴力ではないこと
③補聴器の装用により、言語の習得等一定の効果が期待できると医師が判断する者
④対象児童の属する世帯の最多区市町村民税所得割課税者の納税額が46万円未満である

申請・相談の窓口は障害福祉課です。過去に同様の制度を利用した場合や、その他の制度によって助成を受けている場合は対象外になることもあります。また、世帯収入によては自己負担が発生することもありますので、詳細は窓口でご確認ください。

なお、18歳以上や高齢者を対象とした補聴器購入助成制度については、令和3年の市議会の一般質問にて「現時点で実施予定はない」と市長が答弁しております。

あきる野市の補聴器購入助成制度について

以下の①~④のすべてに該当する場合、あきる野市にお住まいの方は補聴器1台の購入時に最大137,000円の補助を受けることができます。

①18歳未満の児童
②両耳の聴力レベルが概ね30dB以上であり、身体障害者手帳(聴覚障害)交付の対象となる聴力ではないこと
③補聴器の装用により、言語の習得等一定の効果が期待できると医師が判断する者
④対象児童の属する世帯の最多区市町村民税所得割課税者の納税額が46万円未満である

申請・相談の窓口は障がい者福祉課です。過去に同様の制度を利用した場合や、その他の制度によって助成を受けている場合は対象外になることもあります。また、世帯収入によては自己負担が発生することもありますので、詳細は窓口でご確認ください。

なお、18歳以上や高齢者を対象とし補聴器購入助成制度について、令和3年に「補聴器購入の助成を求める陳情書」が市議会に提出されましたが不採択となりました。令和4年の市議会の一般質問では「国や都の動向に注視し研究を継続する」と健康福祉部長が答弁しております。

福生市の補聴器購入助成制度について

以下の①~④のすべてに該当する場合、あきる野市にお住まいの方は補聴器1台の購入時に最大137,000円の補助を受けることができます。

①18歳未満の児童
②両耳の聴力レベルが概ね30dB以上であり、身体障害者手帳(聴覚障害)交付の対象となる聴力ではないこと
③補聴器の装用により、言語の習得等一定の効果が期待できると医師が判断する者
④対象児童の属する世帯の最多区市町村民税所得割課税者の納税額が46万円未満である

申請・相談の窓口は障がい者福祉課です。過去に同様の制度を利用した場合や、その他の制度によって助成を受けている場合は対象外になることもあります。また、世帯収入によては自己負担が発生することもありますので、詳細は窓口でご確認ください。

なお、18歳以上や高齢者を対象とし補聴器購入助成制度について、令和6年の市議会の一般質問において市長は「本市でも多くの自治体と実施について意見交換をしている。助成を実施している自治体の実情把握や情報収集を行いながら、今後も検討する」と市長が答弁しております。

瑞穂町の補聴器購入助成制度について

以下の①~④のすべてに該当する場合、瑞穂町にお住まいの方は補聴器1台の購入時に最大137,000円の補助を受けることができます。

①18歳未満の児童
②両耳の聴力レベルが概ね30dB以上であり、身体障害者手帳(聴覚障害)交付の対象となる聴力ではないこと
③補聴器の装用により、言語の習得等一定の効果が期待できると医師が判断する者
④対象児童の属する世帯の最多区市町村民税所得割課税者の納税額が46万円未満である

申請・相談の窓口は福祉課です。過去に同様の制度を利用した場合や、その他の制度によって助成を受けている場合は対象外になることもあります。また、世帯収入によては自己負担が発生することもありますので、詳細は窓口でご確認ください。

なお、18歳以上や高齢者を対象とした補聴器購入助成制度は現時点ではなく、令和4年の町議会の一般質問で「必要性は認めるが手が伸びないというのが実情。介護サービス等の財源の確保などが現時点では最優先」と町長が答弁しております。

奥多摩町の補聴器購入助成制度について

以下の①~④のすべてに該当する場合、奥多摩町にお住まいの方は補聴器1台の購入時に最大137,000円の補助を受けることができます。

①18歳未満の児童
②両耳の聴力レベルが概ね30dB以上であり、身体障害者手帳(聴覚障害)交付の対象となる聴力ではないこと
③補聴器の装用により、言語の習得等一定の効果が期待できると医師が判断する者
④対象児童の属する世帯の最多区市町村民税所得割課税者の納税額が46万円未満である

申請・相談の窓口は福祉保健課です。過去に同様の制度を利用した場合や、その他の制度によって助成を受けている場合は対象外になることもあります。また、世帯収入によては自己負担が発生することもありますので、詳細は窓口でご確認ください。

なお、18歳以上や高齢者を対象とした補聴器購入助成制度は現時点ではありません。令和4年の町議会の一般質問で「専門家や関係団体と調整し、事業化する場合は財源の確保と継続性を担保した上で、慎重に検討したい」と町長が答弁しております。

日の出町の補聴器購入助成制度について

以下の①~④のすべてに該当する場合、日の出町にお住まいの方は補聴器1台の購入時に最大137,000円の補助を受けることができます。

①18歳未満の児童
②両耳の聴力レベルが概ね30dB以上であり、身体障害者手帳(聴覚障害)交付の対象となる聴力ではないこと
③補聴器の装用により、言語の習得等一定の効果が期待できると医師が判断する者
④対象児童の属する世帯の最多区市町村民税所得割課税者の納税額が46万円未満である

申請・相談の窓口は子育て福祉課です。過去に同様の制度を利用した場合や、その他の制度によって助成を受けている場合は対象外になることもあります。また、世帯収入によては自己負担が発生することもありますので、詳細は窓口でご確認ください。

なお、18歳以上や高齢者を対象とした補聴器購入助成制度については、令和2年に「加齢性難聴者の補聴器購入に対する公的支援制度の創設を求める意見書」が町議会に提出されましたが不採択となりました。しかし、令和3年4月から在任となった町長は制度の創設を公約に掲げております。令和5年の町議会の一般質問で「関連の自治体等の実態を踏まえて検討したい」といきいき健康課長が答弁しています。

入間市の補聴器購入助成制度について

以下の①~④のすべてに該当する場合、入間市にお住まいの方は、耳かけ型補聴器1台の購入時に原則として算定基準額52,900円の3分の2の額(約3万5千円)の補助を受けることができます。

①満18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある児童等
②両耳の聴力レベル25dB以上であり、身体障害者手帳(聴覚障害)交付の対象となる聴力ではないこと
③補聴器の装用により、言語の習得等一定の効果が期待できると医師が判断する者
④対象児童の属する世帯の最多市民税所得割課税者の納税額が46万円未満である

申請・相談の窓口は障害者支援課です。購入する補聴器の種類がポケット型補聴器や耳穴型補聴器の場合は助成額が異なります。過去に同様の制度を利用した場合や、その他の制度によって助成を受けている場合は対象外になることもあります。また、世帯収入によては自己負担が発生することもありますので、詳細は窓口でご確認ください。

なお、高齢者を対象とした補聴器購入費助成制度は現時点ではなく、令和5年の市議会の一般質問にて「高齢者に限定した助成制度は若年者との均衡を欠くことになりかねない」とした上で「NPO法人と協定締結を行ったことから、まずは医療者や介護事業者を対象に啓発活動に取り組みたい」と福祉部長が答弁しております。

入間市はNPO法人日本ユニバーサル・サウンドデザイン協会とヒアリングフレイル対策に関する協定を締結しており、瑶子女王殿下による市民向け講演やヒアリングフレイルについての啓発活動など、難聴やヒアリングフレイルへの対策を補聴器助成以外のアプローチから取り組んでおります

飯能市の補聴器購入助成制度について

以下の①~④のすべてに該当する場合、飯能市にお住まいの方は、耳かけ型補聴器1台の購入時に原則として算定基準額52,900円の3分の2の額(約3万5千円)の補助を受けることができます。

①満18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある児童等
②両耳の聴力レベル25dB以上であり、身体障害者手帳(聴覚障害)交付の対象となる聴力ではないこと
③補聴器の装用により、言語の習得等一定の効果が期待できると医師が判断する者
④対象児童の属する世帯の最多市民税所得割課税者の納税額が46万円未満である

申請・相談の窓口は障害福祉課です。購入する補聴器の種類がポケット型補聴器や耳穴型補聴器の場合は助成額が異なります。過去に同様の制度を利用した場合や、その他の制度によって助成を受けている場合は対象外になることもあります。また、世帯収入によては自己負担が発生することもありますので、詳細は窓口でご確認ください。

なお、高齢者を対象とした補聴器購入費助成制度については、令和4年の市議会にて「加齢性難聴者の補聴器購入費助成制度の創設に関する請願」が提出され、反対議員は一人もおらず全会一致で趣旨採択となりました。その後、制度の創設は実現されておらず、令和5年の市議会の一般質問では「趣旨採択を重く受け止め、国や県の動向に注視し、先進取組自治体の効果の把握に努める」、令和6年の一般質問では「埼玉県に対し市町村への支援を要望するとともに、全国市長会等を通じて国に対しても同様の要望を上げていきたい」と、それぞれ福祉子ども部参事が答弁しています。

補聴器購入時に受けられる国の取り組みとは

自治体による補聴器購入費の助成制度とは別に、国の取り組みとして、障害者総合支援法に基づき、補装具費支給制度が定められています。障害者手帳を保持している方が受けられる制度で、難聴の程度に応じて補聴器の支給を受けられます。

手続きの手順は以下の通りです。

  1. 障害者手帳を申請する
  2. 指定された病院で診断書を書いてもらう
  3. 役所に交付申請書・診断書を提出する
  4. 障害者手帳を交付される
  5. 補聴器の支給申請をする
  6. 福祉課窓口にて申請書・意見書・見積書を提出する
  7. 補装具費支給券を受け取る
  8. 補聴器販売店に行き、補聴器を支給してもらう

障害者手帳を受け取れるのは、高度難聴か重度難聴の方、および語音明瞭度が50%以下の方です。ただし障害者手帳を持っていても補聴器支給を受けられない場合もあります。

対象とならない方は以下の通りです。

  • 所得割46万円以上の方
  • 労働者災害補償保険法やその他の法令で補聴器購入費用の助成を受けている方
  • 定められた所得制限を超えている方

また、障害者手帳を所持していなくても、障害者総合支援法が指定する難病に該当する方は、支給制度の対象として認められる場合があります。

国や自治体の助成を受けたり医療費控除の申請も検討しましょう。

費用軽減対策|医療費控除の利用も検討

補聴器の購入では、医療費控除を利用することで購入費用を抑えられます。

医療費控除を受ける手順は以下の通りです。

  1. 補聴器相談医を受診
  2. 「補聴器適合に関する診療情報提供書」を補聴器相談医が作成
  3. 認定補聴器専門店に「補聴器適合に関する診療情報提供書」を持っていく
  4. 当該年度の確定申告の際に医療費控除で申告する

医療費控除の申告をする際に、「補聴器適合に関する診療情報提供書」の写しと領収書の提出が必要になる場合があります。認定補聴器専門店で補聴器を購入した際に受け取れるので、大切に保管しましょう。申請後、還付金が最大200万円まで支払われます。金額は所得税によって異なります。

認定補聴器専門店は、豊富な知識や高い技術を持った認定補聴器技能者が在籍しており、聞こえの調整が可能な設備が整っています。この専門店以外で購入しても医療費控除は受けられないので注意してください。

まとめ

補聴器の購入費は高額になってしまいます。国や自治体の助成金、医療費控除をうまく利用して、購入の負担額を抑えましょう。自治体によって、負担額の上限など事業内容が異なるため、利用する際には市町村の窓口やWebページで確認してください。

Q&A

Q.補聴器費用の助成を受ける方法は?

A.自治体の助成金は、地域包括支援センターや福祉課へ申請します。地方自治体に応じて対象者などが異なるため、必ず確認してください。

Q.自治体の助成と国の支援との違いは?

A.対象や価格帯が異なります。自治体の助成金では、国の支援を受けられない方が対象の場合もあります。国の支援は、障害者手帳を所持しているか指定難病に該当する場合に申請することができます。

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