コラム
補助金・助成制度

高齢者に向けた補聴器費用の補助金とは?申請方法や注意点を解説

ファミリー補聴器店長の吉野です。

補聴器を使用するには、購入やメンテナンスの費用がかかります。少しでも負担を減らすために、補聴器の補助金制度を活用できないか確認しましょう。障害者総合支援法により、所得や等級などの条件を満たせば、補助金を申請できる仕組みになっています。

今回の記事では、補聴器の補助金を申請する条件や手順、注意点を解説します。補聴器でかかる負担を減らしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

高齢者が補聴器の補助金を申請できる条件

障害者総合支援法にある補装具費支給制度に基づき、条件を満たせば補聴器の補助金を申請できます。対象となるのは、聴力レベルが高度難聴以上で障害者手帳を持っている方です。

補助金を申請する際は、お住まいの自治体の役所に行って、窓口で書類をもらう必要があります。

補聴器の補助金額の目安

障害者総合支援法による補聴器の補助金額は、聴覚障害の等級や世帯所得によって異なります。等級やタイプ別に補聴器の基準額が設定されており、原則で基準額の1割が自己負担です。また、自己負担となる金額の上限が月0円〜3万7200円に設定されています。低所得者の負担は平成22年4月より無料です。

この章では、各等級での支給目安金額について解説します。

聴覚障害2~3級の場合

聴覚障害2〜3級は、通常の日常会話はあまり聞き取れず、大きな声や音でないと聞き取れないレベルの難聴です。聴覚障害2〜3級の場合は、重度難聴用の補聴器に相当する金額が支給されます。

重度難聴の高齢者が支給される金額の目安は、補聴器の基準額である59,000円〜71,200円から原則1割分(自己負担額)を引いた額です。補聴器の機能によっても、金額は異なります。

聴覚障害4~6級の場合

聴覚障害4〜6級は、2〜3級より程度は重くありませんが、大きな声でないと聞き取れない難聴です。聴覚障害4〜6級の場合は、高度難聴用のポケット型・耳掛け型などの補聴器に相当する金額が支給されます。

高度難聴の高齢者が支給される金額は、補聴器の基準額から原則1割分(自己負担額)を引いた額が目安です。補聴器の種類や性能によって、購入金額は異なります。

補聴器の補助金を申請する手順

補聴器の補助金は、下記の手順に沿って申請します。

  1. 各自治体から必要書類をもらう
  2. 耳鼻咽喉科で主治医の意見書をもらう
  3. 補聴器販売店で見積書をもらう
  4. 自治体の窓口に書類を提出する

この章では、それぞれの手順について解説します。実際に申請をする方は、事前にチェックしましょう。

1.各自治体から必要書類をもらう

まずは、各自治体の福祉課などの窓口で補装具費支給の申請を行い、必要書類をもらいます。書類をもらう際には、障害者手帳と印鑑を持っていく必要があります。耳鼻咽喉科の医師による記載が必要な書類もあるため、必ず内容を確認しましょう。

役所から書類をもらったら、記入できる部分を記入していきます。障害者手帳を持っていない方は、交付に必要な「身体障害者診断書・意見書」をもらいましょう。

2.耳鼻咽喉科で主治医の意見書をもらう

自治体指定の耳鼻咽喉科を受診して、主治医から補装具交付意見書をもらいます。認定された補聴器相談医の医師が、各自の難聴の状態を細かく記載するのが意見書です。

それぞれの難聴に合った補聴器を装着するには、主治医からの意見書が欠かせません。補聴器に関する疑問や悩みがあれば、事前に医師に相談しましょう。

3.補聴器販売店で見積書をもらう

主治医の記載した意見書をもとに、補聴器販売店で補聴器の見積書をもらいます。補聴器本体にかかる費用がいくらか、見積書を見れば分かります。

自治体に書類を提出する前に、見積書のコピーをとっておけば、いつでも金額が確認できて安心です。補聴器を使用していると電池や修理の費用もかかります。 販売店でそれぞれの費用に関しても聞いておきましょう。

4.自治体の窓口に書類を提出する

書類がそろったら、再度自治体の窓口に行って書類を提出します。手続きが完了すると「補装具費支給券」がもらえ、補聴器の受取が可能です。支給券に署名と捺印をして、補聴器販売店に提出します。

支給券をもらうには、書類提出から数週間程度かかります。支給されるまでは、補聴器は全額自己負担のため注意しましょう。

高齢者が補聴器の補助金を申請する際の注意点

高齢者が補聴器の補助金を申請する際は、次の2点に注意しましょう。

  • 電池代や修理費用は自己負担
  • 助成金の支給対象にならないケースもある

この章では、それぞれの注意点について解説します。申請をする前にご確認ください。

電池代や修理費用は自己負担

補聴器本体の費用は支給されますが、電池代や修理費用は自己負担になります。ただし、自治体によっては電池代やメンテナンス費なども支給対象です。お住まいの自治体に補聴器に関する助成事業があれば、費用負担を大きく削減できます。

支給対象にならないケースもある

障害者手帳を持っていない方や、所得割額が一定以上になる場合は補助金の対象とはなりません。障害者手帳を持っていない高齢の難聴の方は、耳鼻咽喉科に行って手帳の申請書類を記載してもらうことが必要です。

補聴器購入は介護保険・医療保険・生命保険の適用外ですが、医療費控除等は受けられます。また、軽・中程度の難聴では自治体による補助金制度を受けられる場合があります。

補助金制度を活用して補聴器費用の負担を減らそう

補聴器には費用がかかるため、補助金を活用することも必要です。ただし、障害の等級によって支給金額が異なります。規定の申請条件を設けているので、事前に確認をしておきましょう。

また、必要書類をそろえて申請をしても、許可が降りるまで助成金の支給はされないため注意が必要です。ご不明な点があれば、お住まいの自治体にお問い合わせください。

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【Q&A】

Q1.軽・中程度の難聴がある場合は補助金の申請はできますか?

A1.身体障害者としての補助金給付は受けられません。お住まいの地域によっては、自治体の補聴器購入助成制度を利用できます。

Q2.片耳の難聴で、補聴器の補助金申請はできますか?

A2.片耳の難聴では障害者手帳を受け取れないため、障害者総合支援法による補助金は受け取れません。お住まいの地域によっては、片耳難聴でも補助金を申請できる場合があります。自治体の助成制度を確認しましょう。