補聴器を購入したい!年金受給者でも医療費控除を受けられる?
ファミリー補聴器店長の吉野です。今回は、年金受給者で補聴器の購入を検討している方に向けて、医療費控除を受ける方法を解説します。
補聴器は高価な精密機器であるため、費用面で購入に踏み込めない方もいるのではないでしょうか。補聴器を必要としている方の負担を少しでも減らせるよう、医療費控除の申請方法や注意点について解説するので、ぜひ参考にしてください。
Contents
補聴器の購入費用は医療費控除の対象?
補聴器を購入するときは、医療費控除を受けられるのか気になることがあるかもしれません。一般的に補聴器の購入費用は「医療費控除の対象」です。補聴器を必要とする場合は医療費控除を利用することをおすすめします。
医療費控除を受けられるのは、診療に補聴器が必要だと医師が判断した場合です。
補聴器の医療費控除について、国税庁のHPでは以下のように定められているので覚えておきましょう。
医師による診療や治療などのために直接必要な補聴器の購入のための費用で、一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額は、医療費控除の対象となります。(国税庁HPより)
ここでは具体的に、医療費控除の仕組みを解説します。
医療費控除の仕組みを解説
そもそも医療費控除は、1年間で支払った医療費が基準額を超えたときに適用されます。所得控除の一つで、自分の所得金額から一定額を差し引くことができるため、納税額を減らせます。控除を受けるには確定申告が必要なので注意しましょう。
具体的に、以下の点について解説します。
- 補聴器購入での医療費控除の利用方法
- 確定申告の方法
医療費控除の方法について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
①補聴器購入での医療費控除の利用方法
補聴器を購入するときに医療費控除を利用する方法は以下の通りです。
- 耳鼻咽喉科を受診する
- 医師が診療に補聴器が必要であると判断した際、その根拠となる書類を発行してもらう
- 確定申告時に医療費控除を申請する
医師の判断を示す書類として、一般に「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」が用いられます。この書類には、診療に補聴器が必要である旨を示す記載欄があるため、その根拠になり得ます。
次に、確定申告の方法を解説します。
②確定申告の方法
確定申告は1月1日から12月31日までの所得について、翌年2月16日から3月15日までの1ヶ月間に行う必要があります。確定申告をするときに必要なものは以下の通りです。
- 確定申告書
- 給与の源泉徴収票
- 印鑑
- 還付金受取口座の預金通帳
- マイナンバーカード
確定申告ができる場所は、以下の通りです。
- 住民票の住所地を管轄している税務署
- 税務署が開設する確定申告会場
- 国税電子申告・納税システム(e-Tax)
確定申告の会場へ行けない場合は、電子システムを利用して自宅で確定申告を行う方法もあります。
年金受給者が医療費控除を受ける注意点
ここでは、年金受給者が医療費控除を受けるときの注意点を紹介します。
- 対象となる方
- 還付される金額
- 申請に必要なもの
それぞれについて詳しく解説するので参考にしてください。
①対象となる方
年金受給者でも、補聴器の購入費用で医療費控除を受けられる条件は以下の通りです。
- 耳鼻咽喉科の専門医が補聴器の必要性を認めた方
- 高齢者や年金受給者の方で、確定申告をした方
すでに所得税や住民税が非課税の方は、医療費控除が受けられないので注意しましょう。
②還付される金額
医療費控除を受けると、税金の一部が戻ってきます。一般的に家族(自分と生活費が一緒)の医療費が1年間で10万円を越えていれば、還付の対象です。
還付される金額を計算する式は以下の通りです。
- 医療費控除額=「医療費の合計額」ー「保険金で補填される金額」ー10万円
- 還付される金額=「医療費控除額」×「所得税率」
「保険金で補填される金額」とは、出産育児一時金や生命保険で支給された入院費などを指します。
「所得税率」は、所得金額が195万円未満は5%、300万円は10%など、所得に応じて定められています。
支払った医療費や所得金額によって還付される金額が異なるため、計算式を用いて確認するとよいでしょう。
③申請に必要なもの
年金受給者の方が、医療費控除を受ける際には以下のものが必要です。
- 医療費控除の明細書
- 医療費通知の原本
- 医師が診療に補聴器が必要であると判断した旨を示す書類(写しも可)
- 補聴器の領収書
医療費控除の明細書を記入し、確定申告時に提出します。健康保険組合が発行する、医療費通知の原本を添付してください。
補聴器の購入費用も一緒に申請したい場合は、診療情報提供書の写しと購入時の領収書が必要です。医療費控除を受けるためには、耳鼻咽喉科医師の診断を受ける必要があります。
年金受給者でも補聴器購入には医療費控除が使える!
年金受給者の方でも医療費控除を受けて補聴器を購入できます。難聴で受診し、医師の判断で補聴器の使用が必要だと認められた場合に、医療費控除が適用されます。
補聴器を購入する際には、医療費控除を利用しましょう。
【Q&A】
Q:年金受給者でも医療費控除を受けられますか?
A:受けられます。しかし、全員が対象者になるわけではないため、補聴器を購入する前に確認しましょう。
Q:補聴器が医療費控除対象になった経緯を教えてください
A:2018年、国税庁の回答により、補聴器の購入費用が正式に医療費控除の対象となりました。医師による治療を受けるために、補聴器が直接必要であると証明する必要があります。