急に耳が聞こえなくなる病気とは?原因や想定される疾患について解説
日常生活を送る中で、「耳が聞こえにくくなってきた」と感じる方もいるでしょう。聴力に違和感を覚えた状態をそのままにしておくと、ある日突然聞こえなくなる事態が想定されます。耳に疾患がある恐れもあるので早期の受診が必要です。
今回は、急に耳が聞こえなくなった原因や想定できる疾患について解説します。
聞こえに関して気になる症状がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
急に耳が聞こえなくなったら異常のサイン
急に耳が聞こえなくなった場合は、何かしらの疾患にかかっている恐れがあります。聞こえない原因を問わずに、ある日突然耳が聞こえなくなった際は早急に受診が必要です。
耳鼻咽喉科での診察・検査で難聴の原因を明らかにし、医師に相談しながら治療を進めていきます。放置しておくと、治らない恐れもあるので必ず耳鼻咽喉科を受診して治療をしていきましょう。
【原因解説】急に耳が聞こえなくなる理由3選
急に耳が聞こえなくなる原因としては、次の3つがあげられます。
- 加齢(老人性難聴など)
- ストレス(仕事や日常生活など)
- 不規則な生活
この章では、それぞれの原因について解説します。自分に心当たりのある原因がないか確認しましょう。
1.加齢
加齢によって耳の聞こえに違和感を覚える場合もあります。症状によって、加齢性難聴や老人性難聴とも呼びます。
両耳に発症しやすく、耳の閉塞感や詰まった感覚、耳鳴りなどが主な症状です。「年齢だから仕方ない」と放置しておくと、認知機能が低下して認知症になる恐れがあります。
難聴だけではなく、ほかの病気が潜んでいる可能性もあります。原因を知るためにも、早めの受診が大切です。
2.ストレス
ストレスが原因とされる心因性難聴にかかっている場合もあります。片耳のみ又は両耳どちらにも発症し、人によっては聞こえの状態が一定になりません。
自覚症状が現れにくく、検査をするまで見つけられない場合もあります。耳鳴りや耳の痛みのほかにも、視野狭窄や食欲不振などの症状がともなうのが特徴です。
症状が進むと、入院を余儀なくされる可能性も考えられます。そのため、早期受診をして生活の質を見つめなおすのも大切です。
3.不規則な生活
睡眠不足や偏った食事なども含めて、不規則な生活を送っていると聞こえなくなる例もあります。不規則な生活で自律神経が乱れて、耳にある有毛細胞が傷つけられて難聴に陥る場合もあるので注意が必要です。
また、睡眠不足は耳の血流を悪化させて突発性難聴を引き起こすので改善が必要です。
耳鼻科への通院と併せて、生活習慣を改善していきましょう。
【症状解説】急に耳が聞こえなくなったときに考えられる疾患4選
急に耳が聞こえなくなった場合、想定できる主な疾患は次の4つです。
- 突発性難聴
- 中耳炎
- 音響外傷
- メニエール病
この章では、それぞれの症状について解説します。耳鼻咽喉科を受診する前に、どのような疾患があるか把握しましょう。
1.突発性難聴
突発性難聴は、片耳(まれに両耳)が突然聞こえなくなる症状です。血流障害やウイルス感染、睡眠不足なども影響されるといわれますが、詳細な原因は分かりません。
難聴の発症後1週間以内の受診で、早期回復が見込めます。一時的に難聴が少し回復しても、後遺症が残る場合もあるので1週間以内の受診が大切です。
聴力が固定される前に、早めに受診をして生活に支障をきたさないようにしましょう。
2.中耳炎
中耳炎とは、鼓膜のすぐ内側にある器官(中耳)に炎症を起こす疾患です。主な原因は、ウイルス感染や耳掃除のしすぎなどがあげられます。少しずつ聴力が低下してしまうほかに、耳垂れやめまいなどの症状もある点が特徴です。
また、耳掃除で使う綿棒に雑菌が付着していると細菌感染を起こす恐れがあります。中耳炎の症状が進むと慢性的な難聴につながる恐れもあるため、早急に耳鼻咽喉科の受診が必要です。
3.音響外傷
音響外傷はとても大きな音を聴いたあと(ライブ会場・スポーツ観戦など)に発生しやすい疾患です。耳の奥の細胞がダメージを受けて、日常生活でも音が聞こえにくくなります。
症状は片耳と両耳どちらにも起こりやすく、人によっては耳鳴りをともなうため生活に支障をきたします。神経に障害が起こる慢性音響外傷になる前に、適切な治療が必要です。また、できる限り大きな音のする場所を避けて生活しましょう。
4.メニエール病
めまいや耳の圧迫、耳の閉塞感などを伴い、日常生活に支障をきたすほどに聞こえを悪化させます。内耳に水ぶくれができ、内耳の神経を圧迫することによって症状が発生します。
メニエール病の原因で多いのは、日常生活でのストレスによるものです。放置しておくと、低い音が聞こえにくくなる低音難聴より進行していきます。
耳鼻咽喉科を受診してメニエール病と診断された場合、投薬治療をします。
急に聞こえが悪化する前に耳鼻科受診を
急に耳が聞こえなくなったら、重大な疾患が隠れている場合もあるため早期受診が重要です。診察と検査で詳しい原因と疾患名を知って、医師の指導のもと薬物治療などを進めていきます。
聴こえに関して少しでも自分自身で「おかしい」と感じたら、早めに耳鼻科を治療すれば治る可能性もあります。定期的に通院をして、心身ともに負担をかけない生活へとシフトしていくのが大切です。
【Q&A】
Q1.急に耳が聞こえなくなった際に補聴器は必要ありますか?
A1.症状によります。補聴器購入には専門医の診断が必要なので、聞こえにくさで困る場合は医師に相談しましょう。
Q2.耳が聞こえなくなったら入院は必要ですか?
A2.医師の診断によります。入院が必要になったら、職場で休暇を取る必要があります。事前に入院期間の目安を聞いておきましょう。