コラム
補聴器について難聴について

母親が補聴器を嫌がるときの説得方法とは?寄り添うポイントを紹介

ファミリー補聴器店長の吉野です。母親や父親など身内が補聴器を嫌がるとき、どのように説得したらいいか悩まれる方が多くいることでしょう。大切なのは、なぜ嫌なのかを見つめ合い、無理に説得しないことです。

本記事は、ご両親や家族に補聴器を薦める説得をしたいものの、方法が分からず悩んでいる方に向けてお届けします。補聴器を嫌がる理由や寄り添い方を踏まえて解説するので、補聴器を購入するときの説得方法に活かしてください。

補聴器を嫌がるのはなぜ?

補聴器を着けてもらうために両親を説得するには、補聴器を嫌がる理由について向き合う必要があります。なぜなら、ご本人は「聞こえている」「聞こえについて問題がない」と思っており、補聴器の必要性を感じていない場合が多いためです。

そのうえで、以下のネガティブポイントも理由に考えられます。

  1. 補聴器を着けているとバレたくない
  2. 管理や手入れがよく分からないし大変な印象がある
  3. 値段が高いから買えない

それぞれについて詳しく解説します。

①補聴器を着けているとバレたくない

補聴器を着けたくない理由に「補聴器の存在を知られたくない」「聞こえが悪いと思われたくない」などの恥ずかしさやネガティブイメージを挙げる方がいらっしゃいます。補聴器を着けているとバレたくない方には、バレにくい小型の補聴器があると伝えてあげましょう。

近年の補聴器デザインは豊富です。スリムボディで目立ちにくいものや小型で見えにくいもの、イヤホンに見えるものなどがあります。外見で補聴器について触れられたくない方には、目立ちにくいデザインの補聴器を提案しましょう。

②管理や手入れがよく分からないし大変な印象がある

補聴器は特別な管理が必要で扱いにくいと思う方もいらっしゃるようです。「手入れできる自信がない」「管理できなくて壊れたらどうしよう」といった不安を抱えている可能性があります。

お手入れに自信がない方には、充電式の補聴器を提案しましょう。補聴器には、充電式・電池式の2種類があります。

電池式の補聴器だと、使用しないときは本体から電池を取り出す必要があります。電池の購入や交換が求められるため、手間に感じたり必要な時に使えなかったりするかもしれません。その点、充電式の補聴器であれば電池交換をする必要がないためおすすめです。

ただし、「小型デザインのものが多い」「費用が抑えられる」といった理由から、電池式補聴器を選ぶケースもあります。その場合は電池の取り外しや交換を手伝うなど、サポートを前提に説得するのがポイントです。

③値段が高いから買えない

補聴器は片耳分で約10万円、高いものでは50万円以上と、大変高額なアイテムです。補聴器を購入する際に、国や地方自治体の補助金を活用できると値段に対するハードルを下げられます。

障害者総合支援法に基づく補聴器の支給制度や、高齢者補聴器購入費用助成事業を利用するには条件があるため、事前に市のホームページなどを確認するとスムーズです。

また、自治体によって補助内容や金額などの詳細が異なるので、利用する際には市役所や包括支援センターなどに確認をして検討してください。

説得方法を紹介!寄り添うポイントとは?

補聴器を使用するよう説得するときは、相手に寄り添う気持ちが大切です。特に、補聴器へのネガティブイメージを汲み取って払拭することによって、スムーズに説得できるかもしれません。

以下の点を意識するとよいでしょう。

  1. 補聴器に対するネガティブイメージを払拭する
  2. 耳の健診を受けて医師と一緒に話す
  3. 無理強いせず嫌な理由に寄り添う

それぞれについて解説します。

①補聴器に対するネガティブイメージを払拭する

補聴器に対するネガティブイメージを払拭するために、何が嫌なのか把握することが大切です。一般的に考えられるネガティブイメージはこれまで紹介しましたが、ほかの理由があって着けたくない可能性もあります。

ネガティブイメージを知っても「なんだそんなことか」と思わず、しっかりと向き合うことで説得がしやすくなるでしょう。

また、補聴器を着けないことによるデメリットを語るなかで、ご本人が「補聴器の必要性」に気づけるように語り合うことが大切です。

②耳の健診を受けて医師と一緒に話す

家族での説得が難しい場合、第三者から説得してもらう方法もあります。

補聴器を購入する前に、聴力検査を行って補聴器が必要かどうかを確認する必要があります。以前受けたときは必要ないと診断された方でも、前回から聴力が落ちている可能性もあるため、定期健診との名目で医療機関を受診しましょう。その際に、医師から「補聴器が必要」といった話をしてもらえたら、意見を聞き入れてくれるかもしれません。

医療機関にかかり、医師と話し合ったり説得してもらったりすることもご検討ください。

③無理強いせず嫌な理由に寄り添う

補聴器を着けてほしい理由と、補聴器を着けるのが嫌な理由を擦り合わせて説得するのは難しいかもしれません。無理強いせずに嫌な理由に寄り添うことで、補聴器が実際に必要なのかどうかも検討できます。相手の話をよく聞きながら、補聴器を着けないと困ることについても触れるとよいでしょう。

無理強いはせず、よく話し合って補聴器を検討することが大切です。

補聴器を嫌がるときの説得方法は寄り添うことが一番!

ご家族が補聴器を嫌がるときは、気持ちに寄り添って話し合うことが大切です。補聴器を着けない理由に、ご本人が困っていないもしくは、ネガティブイメージが強いため着けたくない可能性があります。まずは、どのような理由で補聴器を着けたくないのか確認し、理由に応じて補聴器に対するネガティブイメージを払拭するよう心がけましょう。

家族での説得が難しい場合は医療機関を受診し、相談・説得の手助けをしてもらうこともおすすめします。ご家族のためにも向き合って話し合いをしましょう。

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【Q&A】

A1:相手に寄り添いながら補聴器に対する抵抗感を減らすことが大切です。「補聴器をつけないでこのまま放っておくと、どんな生活になると思う?」と考えてもらうのもよいかもしれません。

A2:ご本人が困っている自覚がないためです。特別な場面で「よく聞こえなくて困った」と自覚するきっかけをつくるのもポイントです。