コラム
難聴について

耳鳴りと頭痛の関係は?つらい症状の原因や解消法が知りたい方へ

ファミリー補聴器店長の吉野です。今回は耳鳴りと頭痛について解説します。耳鳴りと頭痛、どちらの症状もある場合は、片頭痛や自律神経失調症、更年期障害によるものかもしれません。原因がわかると、薬物療法や生活の見直しで症状が緩和するケースもあります。

この記事では、耳鳴りと頭痛が起こる病気に加え、耳鳴りと頭痛それぞれの原因・解消法を詳しく解説します。つらい耳鳴りや頭痛に悩まされている方は、ぜひ参考にしてください。

耳鳴りと頭痛の関係は?

耳鳴りと頭痛がどちらも起こる場合、原因として次の病気が考えられます。

  • 片頭痛
  • 自律神経失調症
  • 更年期障害
  • ラムゼイハント症候群

それぞれの病気について、症状や原因、治療法を詳しく解説します。耳鳴りと頭痛のほか、あてはまる症状がないかチェックしてください。

片頭痛

片頭痛は慢性頭痛の一つで、脳の血管の急な拡張で起こります。片頭痛が起こる前兆として、耳鳴りや閃輝暗点とよばれる視覚症状があります。

症状は頭痛・耳鳴りのほか、吐き気や嘔吐、光や音・臭いへの過敏などです。拍動性の頭痛で一般的には左右どちらかに起こります。

原因はストレスや疲労、睡眠不足、気圧変化や生理などです。市販の鎮痛薬や病院で処方されるトリプタン製剤で対処します。

薬の飲みすぎが原因でさらに頭痛が起こる場合があるので、薬を飲む頻度が高い方は一度医師に相談してください。

自律神経失調症

交感神経と副交感神経のバランスが崩れていると感じ、不調がある状態を自律神経失調症とよびます。症状は肩こりや食欲不振、めまいや不眠、胃腸障害などです。

原因としてストレスや疲労、気温の変化、不規則な生活習慣が挙げられます。よってストレスコントロールと生活習慣の見直しが大切です。鎮痛薬や睡眠薬、抗うつ薬、ホルモン剤など症状に合った薬を服用します。

更年期障害

更年期障害は40代半ばから50代半ば、閉経前後の女性に起こります。めまいや息切れ、イライラや気分の落ち込みなどが現れます。

女性ホルモンであるエストロゲンの減少が原因の一つです。そのほか加齢による体の変化や心理的因子、人間関係などの社会的因子が重なって発症します。

生活習慣の見直しやカウンセリングを行い、漢方薬やホルモン剤、向精神薬などで治療します。

ラムゼイハント症候群

ラムゼイハント症候群は、水痘帯状疱疹ウイルスの感染で、帯状疱疹が耳に発症した状態です。普段潜伏しているウイルスが、過度な疲労やストレスで免疫が低下したときに再活性化します。

顔面神経麻痺やめまい、難聴をともなうため、抗ウイルス薬やステロイド剤で治療を行います。

耳鳴りはなぜ起こる?

耳鳴りの症状は、「ピー」「キーン」のような高温、「ジー」「ブーン」といった低音など個人差があります。

高音の耳鳴りは加齢やメニエール病、突発性難聴によるもの、低音の耳鳴りは中耳炎や低音障害型感音性難聴、気圧の変化やストレスによるものと考えられます。

また、耳管狭窄症や耳管開放症、血管性疾患なども耳鳴りが起こる病気です。

耳鳴りには自分にしか聞こえない自覚的耳鳴りと、聴診器で他人にも確認できる他覚的耳鳴りがあります。より起こりやすいのは加齢やストレス、耳の病気による自覚的耳鳴りです。

耳鳴りへの対処法

耳鳴りの治療法として、ビタミン剤や血流改善薬などの薬物療法、補聴器を使用する音響療法があります。薬剤でメニエール病や中耳炎など耳鳴りの原因となる病気を治療します。音響療法は補聴器を装用してまわりの音が聞こえやすくなることで、耳鳴りの音に慣れ、耳鳴りを気にならなくする方法です。

また、ストレスなど心理的要因による耳鳴りの場合は、生活環境を変えたり、専門家のカウンセリングを受けたりして原因を根本から解決することが求められます。

自分で行える対処法としては、次のものがあります。

  • 十分な睡眠・休息を取る
  • 体をほぐして血行をよくする
  • 喫煙やカフェインを控える
  • 耳鳴りを気にしすぎない

生活習慣を振り返り、心と体が落ち着ける時間を大切にしましょう。

頭痛はなぜ起こる?

頭痛には片頭痛のほかに群発性頭痛・緊張性頭痛があります。群発性頭痛は目のまわりから前頭部、側頭部にかけて痛みがあり、寝ているときに起こりやすい頭痛です。緊張性頭痛は後頭部から首にかけて圧迫感やずきずきとした痛みがあります。

寒暖差や気圧の変化のほか、ストレスや過度な緊張、食生活の乱れが原因です。

長時間同じ姿勢をとっている方、パソコンやスマホを長時間使用している方に起こりやすいといわれています。

頭痛への対処法

頭痛が起こったときの対処法として、頭痛薬の服用のほか次の方法が挙げられます。

  • 頭を冷やす
  • 安静にする
  • 不規則な生活を見直す
  • 人の多い場所や光・臭いの強い場所を避ける
  • 頭痛が起こりやすい食品や飲酒を避ける

アルコールやチョコレート、チーズ、インスタントラーメンといった食品は片頭痛を誘発するといわれています。

時間帯や気候などどのような状況で頭痛が起こりやすいか把握し、リラックスできる環境を整えましょう。

つらい耳鳴りと頭痛には早めの対処を

耳鳴りと頭痛が併発しているときに考えられる病気は、片頭痛や自律神経失調症、更年期障害などです。

ストレス源を取り除く、休息時間を十分に取るといった、生活習慣の見直しで症状が緩和されることもありますが、つらいときは我慢せず、医療機関を受診しましょう。自分の症状を把握し、耳鳴りや頭痛の原因がわかると、服薬療法で解消する可能性があります。

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【Q&A】

Q1:耳鳴り・頭痛がある場合はどの病院に行けばよいですか。

A1:神経内科や頭痛外来を受診してください。かかりつけがある場合は症状を相談して、医院を紹介してもらいましょう。

Q2:片頭痛の前兆とされる閃輝暗点とは何ですか。

A2:突然視野に現れる、ギザギザした光の波のことです。徐々に広がったあと、暗くなって見えなくなります。この症状の次に片頭痛が起こりやすいといわれます。