コラム
難聴について

親の耳が遠くなる理由は?イライラしないための方法を解説

ファミリー補聴器店長の吉野です。

親が年齢を重ねるにつれて耳が遠くなり、会話がうまくできず苛立ちを覚えてしまう方もいるでしょう。加齢性難聴は、一般的な難聴と異なり両耳の聴力が均等に落ちていきます。そして、日常会話に支障をきたす場合があるのが特徴です。

今回の記事では加齢性難聴の特徴と、耳が遠い親と接する際にイライラしないためのポイントについて解説します。加齢性難聴の症状と会話のコツを知るためにも、ぜひご覧ください。

耳が遠くなる加齢性難聴とは?

年齢とともに耳が遠くなる原因は、加齢性難聴の可能性があります。加齢性難聴の主な症状は、次のとおりです。

  • 特定の発音(高い音・サ行など)が聞きにくくなる
  • 両耳の聴力が均等に落ちる
  • 雑音があると会話がしにくい

この章では、それぞれの症状について解説します。

特定の発音(高い音やサ行など)が聞きにくくなる

加齢性難聴になると、高音や特定の行の発音が聞き取りにくくなります。例えば、散歩をしているときに車のクラクションが鳴っても聴こえない場合もあるため、早期発見が大切です。

日常会話をしていても、意味が通じないため何度も聞き返す方もいます。聞き返しの頻度が増えたら、症状が進行している可能性もあります。万が一聞こえにくさを自覚したら、早めの耳鼻咽喉科受診を検討しましょう。

両耳の聴力が均等に落ちる

加齢性難聴は、両耳の聴力がほぼ同じペースで落ちていくのが主な症状です。60歳を過ぎて気づく方が多くいます。

人によっては片耳のどちらかだけが聴こえなくなるパターンもあり、聴力に左右差がある場合は耳の疾患を併発している可能性があります。聞こえ以外にも不安な症状がある場合は、耳鼻咽喉科で聴力検査をして詳しく現状を把握するのが大切です。

雑音があると会話がしにくい

加齢性難聴の方は、雑音の多い環境だと会話しにくいのが特徴です。日常会話をしていても、テレビの音や料理をする音などで話しにくくなってしまいます。建物の外でも、工事や車の音などで聞こえにくくなる場合があります。

難聴のある方には、なるべく物音が少ない場所で、落ち着いて話しかけるのが大切です。身振り手振りで意思疎通を図ったり、会話用のアプリを活用したりするのもよいでしょう。

耳が遠い親とコミュニケーションを取るには

耳が遠くて親と上手に意思疎通が図れない場合、こんな方法をとってみましょう。

  • ゆっくりと話しかける
  • 目を見て話す
  • 正面から話すようにする

この章では、それぞれの方法について解説します。ぜひ参考にしてください。

ゆっくりと話しかける

加齢性難聴の方には、単語の発音に注意しながら耳元でそっと話しかけます。背後から急に大きな声で話しかけると驚く可能性もあるので、注意が必要です。スローペースを意識しながら話をすると、相手も安心できます。

会話の際は、意味のまとまりで区切りながら話せば伝わりやすくなります。少しずつでもよいので、お互いに無理のないペースを意識をしながら会話をしてみましょう。

目を見て話す

耳が遠くても、相手の目を見て話せば話の意図が伝わりやすくなります。話し相手のしぐさや表情の変化が一目でわかり、声がまっすぐに伝わるためです。耳が聞こえにくい方でも、精神的に安心して会話ができます。

目を見て話をする際は、相手に合わせて目線の角度や向きを調整するのが大切です。できるだけ近づきすぎないように話すと、相手に安心してもらえるでしょう。

正面から話すようにする

加齢性難聴の方は、どちらの方向から声が聴こえているのかが分からなくなる可能性もあります。そのため、なるべく相手の視界に入るようにして、正面から相手と向かい合うとスムーズに会話が可能です。

正面から話しかければ、相手の話を聴くことに集中しやすい環境を作れます。できるだけ自然な形で、相手の目を見ながら話せる立ち位置について会話をしましょう。

耳が遠い親へのイライラを抑えるには

耳が遠い親に対してどうしても苛立ちを覚えてしまう場合、下記のような対策をとってみましょう。

  • 休憩を入れながら話す
  • ささいな間違いを気にしすぎない

この章では、それぞれの対策について解説します。

休憩を入れながら話す

会話の間に少しだけ休憩をはさみつつ、区切りながら話すと会話の内容が整理しやすくなります。親から何度も聞き返された場合も、会話を中断して水を飲んだり深呼吸をしたりすれば、精神的に少し落ち着きます。

会話を再開する場合は、正面から目を合わせて話始めの合図を送って、お互いに準備できたら再開させるとスムーズです。お互いに無理のないペースで、焦らないで話せる環境を作る必要があります。

ささいな間違いを気にしすぎない

加齢性難聴の方に細かいミスを指摘し過ぎると、状況によっては相手の自尊心を傷つけてしまいます。何回か聞き返されても、あまり厳しく叱責せずにやんわりと注意する姿勢が大切です。

会話で不快な思いをさせないために、できるだけ相手のペースに合わせるのも大事です。話していて特に大きな問題にならなければ、聞き間違いの指摘はできる限り控えめにしましょう。

耳が遠い親と快適にコミュニケーションを

耳が遠い親とうまく意思疎通をするには、症状への理解が大切です。話をする際は、親に聴こえやすくするために大きめの声で話す必要があります。会話の際には、イライラしないための工夫も必要です。

場合によっては、何かしらの耳の病が潜んでいる可能性もあります。加齢性難聴が日常生活に大きな支障をきたすようであれば、耳鼻咽喉科を受診して補聴器の使用を検討してください。

Q&A

Q1.耳が遠いと頑固な性格になる場合もあるのですか?

A1.一概には言い切れませんが、人によっては加齢と難聴が頑固な性格につながる場合もあります。

Q2.耳が遠くなったら補聴器を購入する必要がありますか?

A2.日常生活で支障をきたすようならば、補聴器相談医のいる耳鼻咽喉科に行って補聴器装着が必要か相談をしてください。

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