低音性難聴はストレスが原因?医療機関での検査内容や治療法を紹介
ファミリー補聴器店長の吉野です。今回は低音性難聴について解説します。
日頃耳が詰まったり、低い音が聞こえにくかったりすることはありませんか。この記事では低音性難聴の症状や原因のほか、医療機関を受診した際の検査や治療について解説します。耳の不調が気になる方はぜひ参考にしてください。
低音性難聴とは
低音性難聴はその名の通り、低い音が聞こえにくくなる難聴です。急性低音障害型感音難聴ともよばれ、感音難聴の一種で治っても繰り返し発症することがあります。
低音性難聴について、症状や原因、治療法を解説します。
- 症状:低い周波数の音が聞こえにくい
- 原因:ストレスや内耳のむくみ
- 治療:おもに薬物療法
低音性難聴について知り、同じような症状がある方は早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
【症状】低い周波数の音が聞こえにくい
低い音が聞こえにくかったり、耳が詰まっている感じがしたりなど、次のような症状がある方は、低音性難聴と診断されるかもしれません。
- 低い音が聞こえにくい
- 耳が詰まったような感じがある
- 耳に水が入っているように感じる
- 自分の声がよく響く
- 耳鳴りやめまいがある
症状が似ている病気に、突発性難聴やメニエール病があります。症状があり、改善がみられない場合はできるだけ早く医療機関を受診しましょう。病名をはっきりさせ、適切な治療を受けることが大切です。
【原因】ストレスや内耳のむくみ
低音性難聴の原因として、次のものが挙げられます。
- ストレス
- 睡眠不足
- 慢性疲労
- 風邪
- 内リンパ水腫
- 内耳の血行障害
低音性難聴は、ストレスや長期にわたる体調不良が原因だといわれます。内耳にリンパ液が溜まってむくみが生じると、音の振動をうまく電気信号に変換できなくなり、聴力の低下につながります。
また、生活習慣病や低血圧などで内耳の血流が悪くなることも難聴の原因です。
【治療】おもに薬物療法
低音性難聴は軽度の場合、ほとんどの方が何もしなくても回復するといわれます。ただし症状があるのに2週間以上放置すると、聴力が固定されて元に戻らなくなる場合もあります。早めに医療機関を受診し、医師の指示に従って安静に過ごしましょう。
低音性難聴の治療としては、おもに薬物療法が挙げられます。診断後に処方されるのは内耳循環改善剤やビタミン剤、利尿剤などです。
そのほか、むくみの解消やストレスを溜めない生活を心がけましょう。耳によい生活習慣については予防の項目で解説します。
低音性難聴の診断方法
低音性難聴かなと思ったら、早めに医療機関を受診しましょう。耳鼻咽喉科では次のような流れで診断します。
まず、問診で症状や経緯を確認します。難聴や耳鳴り、自閉塞感、めまいなど、今ある症状がいつから始まったのかを記録しておきましょう。
その後診察で次のような検査を行い、耳のどの部分に異常があるかを調べます。
- 鼓膜所見
- 画像検査
- ティンパノグラム
- オージオグラム
- 眼振検査
- 重心動揺検査
これらの検査により、外耳や中耳の異常、メニエール病など、ほかの病気である可能性を除いて低音性難聴と診断されます。
低音性難聴を予防するには
低音性難聴の発症や再発を予防するために、次のようなことに気をつけましょう。
- ストレス改善
- 十分な休息・睡眠
- 有酸素運動
- 水分補給
- 飲酒を控える
規則正しい生活を心がけてください。低音性難聴はストレスが原因となることが多いため、職場の環境や人付き合い、生活習慣を見直してストレス源をなくす必要があります。
運動不足を感じている方は、ウォーキングやラジオ体操など無理のない範囲で身体を動かしましょう。水分補給をこまめに行い、血行促進に努めます。アルコールやカフェインを多く含む飲み物はできるだけ控えましょう。
低音性難聴とほかの感音難聴
難聴は伝音難聴と感音難聴、二つの特徴を併せ持つ混合難聴に分けられます。外耳・中耳に異常がある場合は伝音難聴、内耳から大脳側に異常がある場合は感音難聴と、障害がある部位によって異なります。
感音難聴では、低音性難聴のほかに突発性難聴やメニエール病が挙げられます。突発性難聴は急に片方の耳が聞こえにくくなる病気です。聴力が回復したり、悪化したりといった症状の波がみられないことが特徴です。
低音性難聴は、突発性難聴より比較的治りやすいといわれますが、ストレスや体調によって繰り返し起こることが多い病気です。
低音性難聴と似た症状があり、回転性めまいをともなう場合はメニエール病と診断されます。
耳の不調が気になったら医療機関へ
この記事では、低音性難聴の症状や治療法、診断方法について解説しました。
低音性難聴は、ストレスや内耳のむくみが原因で、耳が詰まったり、耳に水が入ったように感じたりといった症状があります。耳鼻咽喉科では、難聴や耳鳴り、めまいの有無、外耳や鼓膜の状態を調べて病気を診断します。
発症や再発を予防するには、規則正しい生活を心がけ、ストレスを減らして十分に休むことが大切です。耳の不調が気になる方は、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
【Q&A】
Q1:低音性難聴になりやすいのはどの年代の方ですか。
A1:低音性難聴は20〜40代の女性に多いといわれています。
Q2:低音性難聴になったら仕事を休んだ方がいいですか。
A2:低音性難聴の原因として心身のストレスがあるため、症状が改善するまでは休んで安静に過ごしましょう。