コラム
難聴について

花粉症で難聴になる理由とは?予防や対処法についても解説

ファミリー補聴器店長の吉野です。今回は花粉症と難聴の関係について解説します。

花粉症は目のかゆみや鼻水、くしゃみなど、目や鼻に症状が出やすいものですが、それらの症状が難聴につながるケースも存在します。

難聴の度合いによっては、日常生活での補聴器の着用や投薬治療が必要になります。難聴にならないためにも、まずは普段の生活で花粉症を予防しましょう。

今回は、花粉症による難聴の原因や予防方法などについて解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

花粉症の症状の特徴

花粉症の症状として、くしゃみや鼻水、鼻詰まり・目のかゆみなどが挙げられます。これらの症状はイネ科やキク科植物の花粉で起こる、アレルギー反応によるものです。目のかゆみや喉の痛みを感じて、なかなか睡眠が取れないなど日常生活に支障をきたす方もいます。

花粉症は一度発症すると毎年症状に悩まされる方が多く、自然には治りません。症状に応じた服薬が一般的ですが、原因療法として皮下免疫療法や舌下免疫療法があります。

花粉症になりやすい時期

花粉症は、スギ花粉が飛散しやすい4〜5月の春頃に発症しやすいのが特徴です。夏〜冬にかけてシラカンバやブタクサ、よもぎなどの花粉で症状が現われる方もいます。

アレルギー検査を受けて、原因となる植物や症状が出やすい時期がわかると対策しやすくなります。花粉が飛散しやすい木に近づかず、マスクを着用して生活をすれば予防につながります。

症状に応じて、耳鼻咽喉科で処方された点耳薬や点眼薬なども併用可能です。

花粉症で難聴になる理由

花粉症で難聴になる理由としては、特に下記の2つがあげられます。

  • 鼻腔のむくみを刺激
  • 圧力調整機能の低下

この章では、それぞれの理由について解説します。花粉症で難聴になる原因を知って、日常的に対処をしましょう。

鼻腔にむくみが生じる

花粉症になると、鼻腔に大きなむくみが出ます。空気の通り道が塞がれ、鼻づまりが起こります。

花粉症で難聴になるのは、鼻腔のむくみによって鼻と耳をつないでいる耳管がふさがれるためです。それに伴い耳が詰まったように感じ、思うように聞こえなくなります。日常生活に支障が出るため、早めに対策をする必要があります。

耳鼻咽喉科に行って、鼻と耳の状態を調べてもらうのが大切です。

圧力調整機能が低下する

鼻水や鼻づまりなど、花粉症によるアレルギー性鼻炎の症状が進むと、空気が送られにくくなって中耳の圧力調整機能が低下します。

圧力調整機能が低下して影響の出る部分は、耳の中にある鼓膜です。鼓膜がうまく振動しなくなるため、音が伝わらず聞こえに影響します。

定期的に検診を受けて、花粉症から難聴になる兆候が見られないか確認が大切です。

花粉症による難聴の予防方法

花粉症の予防方法としては、下記の3つがあります。

  • 生活習慣を整える
  • うがいや手洗いをしっかり行う
  • メガネやマスクを着用する

この章では、それぞれの予防方法について解説します。花粉症を発症しやすい方は、ぜひ確認してください。

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生活習慣を整える

食事・運動・睡眠など、生活習慣を整えて免疫力を高めることが花粉症や難聴予防につながります。

栄養バランスを考えた食事をして、普段から花粉症に負けない体づくりを心がけるのが大切です。また、ウォーキングや筋トレなど適度に体を動かしましょう。1日の終わりにはゆっくりと湯船に浸かり体を冷やさないようにしてください。

睡眠時間を十分に確保して、難聴を引き起こす原因ともなるストレスや疲労を軽減させましょう。

うがいや手洗いをしっかり行う

花粉症にならないために有効な対策は、うがいと手洗いの徹底です。外から帰ってきた時は手をよく洗って、タオルでよく拭くと手についた花粉をある程度落とせます。玄関に入る前に衣類についた花粉をしっかりと払うようにするのも大切です。

うがいをすれば、のどについた雑菌を落として花粉症の症状を和らげられます。自宅や職場でうがいのできる場所があれば、必ずうがいをして不純物を出しておきましょう。

メガネやマスクを着用する

メガネ(またはサングラス)は花粉やゴミが目に入るのを防ぎます。花粉の飛散量は日や天候によって変わりますが、心配があればマスクと眼鏡を装着して予防します。

ほかにも、ナイロンやポリエステルなど、ツルツルした素材で出来ている服は花粉がつきにくく予防になります。外から帰ったら、部屋に花粉を持ち込まないように花粉がついている可能性のある服を洗濯しましょう。

薬物療法も効果が見られる

花粉症は一時的なものと軽視せずに、症状がある場合は耳鼻咽喉科を受診しましょう。主に抗ヒスタミン剤や経口ステロイド薬など、薬物療法を行います。

症状の現れ方には個人差がありますが、花粉症は発症すると自然に治すのは難しいといわれます。花粉症が慢性化して難聴につながる前に、まずは耳鼻咽喉科に行って適切な治療をうけましょう。

花粉症と難聴を予防する習慣を

花粉症によって難聴が引き起こされるケースはあります。鼻の内部にできるむくみや中耳の圧力調整機能低下が主な原因です。生活習慣を整えて、マスク着用やうがい手洗いをして花粉症を予防する必要があります。

花粉症の症状が重くなると、難聴につながる可能性もあります。難聴の兆候が見られたら、早めに最寄りの耳鼻咽喉科を受診して診察を受けましょう。

【Q&A】

Q1.花粉症による難聴で補聴器は使用できますか?

A1.症状によります。耳鼻咽喉科を受診して、専門医から補聴器装着が必要と診断された場合のみ装着ができます。

Q2.花粉症の難聴に対応した飲み薬はありますか?

A2.花粉症に対する飲み薬と難聴の飲み薬は別のものです。薬の飲み合わせに関しては、医師に確認しましょう。